第23回皇后盃全日本女子柔道選手権大会結果
北京オリンピック女子代表
最後の1席が決定!
4月20日(日)横浜文化体育館で行われた今年の皇后杯全日本女子選手権。女子柔道の最高峰を決める戦いは静かに始まった。
最初の見所はもちろん、北京五輪代表の有力候補、塚田真希の緒戦だ。対するは鳥谷部真弓。背負い投げを繰り出して積極的に攻めるが、塚田には通じない。何度目かの背負いを掛けにきたところを塚田がつぶして抑え込み「一本」。順調な勝ち上がりを見せた。
続いて会場を湧かせたのが、ベテラン・貝山仁美と若手・石本智子の対戦だった。
昨年の全日本ジュニア3位の18歳が有効ポイントを先取する。しかし、そこから30歳の経験値が冴えた。くるりと体勢を入れ替えて石本を抑え込み、崩れ袈裟固めで「一本」を決めたのだ。今大会前に「若いときにはない、大人の柔道で頑張ります」と言っていた貝山。その本領が発揮された。
薪谷翠の戦いも忘れてはならないだろう。今大会が現役最後の舞台。心に期するものがあることは、畳に上がる前から感じられた。何度も1人打ち込みを行うその姿に、いつになく気迫があったのだ。初戦を体落としと袈裟固めの合わせ技「一本」で勝ち上がると、昨年2位の堀江久美子、3位の立山真衣と次々に破って決勝の舞台へと駒を進めた。
そして、決勝は北京五輪を勝って決めたい塚田と、有終の美を飾りたい薪谷との対決となる。
実生活でも仲の良いことで知られる長年のライバル同士。戦いは気持ちと気持ちのぶつかり合いだった。薪谷は組み負けながらも、果敢に塚田に挑んだ。結果はの旗判定で塚田。互いの健闘を称え合って抱き合う2人に、会場からは惜しみない拍手が贈られた。
こうして、塚田は史上初の7連覇を成し遂げ、第23代目のチャンピオンとなって北京行きを決めた。ただ一つ残念だったのが、皇后盃という大きな大会にもかかわらず、観客席には空席が目立ったことだ。たくさんの観客がいてこそ、選手の士気もあがるはず。ぜひ、来年は会場へ足を運んでほしい。
☆選手席から
2年連続、最軽量の選手として出場したのが宝寿栄選手だ。もともとは52kg級の選手。約86kgという平均体重のなか、小柄な体格が目を引いた。今回の対戦相手は、83kgの石川笑美子。背負い投げで果敢に攻めるがポイントにはつながらず、旗判定となり、3-0で敗れた。
最年長・木屋好絵選手
今大会、最年長選手として畳にあがったのが木屋好絵選手。32歳。3年ぶり、7回目の出場だ。妹の田知本遥に勝って本大会出場を決め、初戦で姉の田知本愛に旗判定で敗れた。
「自分では“勝った”と思ったんですけど(苦笑)。3年前に出場したときも29ですでに最年長だったんですよ。谷(亮子)さんと同い年。山下まゆみ、二宮美穂らみんな引退してしまったので、“まだ出てるの?”とよく言われます(笑)。長く続けられているコツ? 若いときに欲が足りなかったということがあるかもしれませんね。オリンピックへの強い気持ちがなかった。あのころ、もっと欲を持っていればよかったって今になって思います(苦笑)。でも、だからこそ、ずっと気持ちを保っていられるところがあるのかもしれませんね」
結果 | 動画 | ||
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優勝 | 塚田 真希(綜合警備保障) | 決勝戦 | 塚田 真希 VS 薪谷 翠 |
準優勝 | 薪谷 翠(ミキハウス) | ||
第3位 | 田知本 愛(東海大学) | 準決勝戦 | 塚田 真希 VS 田知本 愛 |
立山 真衣(東海大学) | 立山 真衣 VS 薪谷 翠 | ||
第5位 | 池田ひとみ(自衛隊体育学校) | 準準決勝戦 | 池田ひとみ VS 塚田 真希 |
駒木奈緒美(綜合警備保障) | 田知本 愛 VS 駒木奈緒美 | ||
石川笑美子(帝京大学) | 石川笑美子 VS 立山 真衣 | ||
堀江久美子(兵庫県警察) | 薪谷 翠 VS 堀江久美子 |