ロッテルダム世界選手権大会第5日目結果(09.8.31)
写真提供:東京スポーツ新聞社
観戦記
大会5日目最終日は、重量級男子100kg級、100kg超級、女子78kg超級の3階級が行われた。
100kg級の穴井は緒戦でいきなり90kg級北京チャンピオンの強豪グルジアのチレキゼと対戦。穴井は自分のペースで試合をすすめ、相手に指導2がつく。相手の双手刈にしりもちをつきひやりとする場面もあったが、最後は一発逆転をねらう相手をつぶし抑え込んで「一本勝ち」。2戦目は腰をひいて軽快する相手を足車で「一本」。
100kg超級の棟田は緒戦で,元世界チャンピオンのミハイリン(ロシア)を破った地元オランダ選手と対戦。落ち着いた試合運びで十分な組手から内股を放って「一本」。
78kg超級の塚田は一回り大きい韓国選手を攻めきれず苦戦。指導2をもらって気持ちを切り替え攻め込み相手の「反則負け」で緒戦を突破。続く2戦目のプエルトリコ戦はつぶれた相手を抑え込んで「一本勝ち」を決めるが投げ技が決まらずペースが上がってこない様子であった。
ここまで3人とも勝ち上がってきたが、棟田の2回戦で異変が起きた。格下と思われたモンゴル選手と対戦中負傷し、技をかけられず「反則負け」、その試合場で続いて行われた穴井は対ガシモフ(アゼルバイジャン)戦でしかけた大外刈が空振りしたところ、相手にうまくひねられ背中から落下。あっけない「一本負け」を喫した。
さらにその直後に登場した塚田も開始早々、ライバルの中国トンの背負投から後袈裟固に抑えられ「一本負け」。同じ試合場で立て続けに3人とも敗退してしまった。
しかし敗者復活戦に臨んだ穴井と塚田は確実に勝ち上がり3位を確保した。
100kg級は地元オランダのグロルが会場の圧倒的声援の中順調に勝ち上がるが、足の怪我のせいか、決勝戦では不調。世界初タイトルをねらうカザフスタンのラコフに「一本負け」。ラコフは同国初の世界チャンピオンとなる。
78kg超級は実力通り中国のトンが圧倒的な力量差を見せつけ優勝。これで2003年以来、世界選手権の無差別か78kg超級のいずれかで毎回優勝していることになる。圧倒的な強さであった。
100kg超級はフランスのリネールとキューバのブレイソンが決勝を争った。中盤リネールが地力の差を見せつけ指導2で大会連覇を飾った。大会最後をしめくくる試合としては盛り上がりに欠ける試合であった。
最終的に日本は女子金メダル3個、男子0個であった。男女あわせた優勝者数では何とかトップとなった。女子は7階級中5階級でメダル獲得、男子はメダル2個。
男女の優勝者を見るとアジア8人、ヨーロッパ5人、南米1人、コロンビアとカザフスタンに初めてのチャンピオンが誕生した。
5日間にわたり行われた今大会は、地元オランダを始めヨーロッパ各地からの観客が会場を埋め尽くし、自国選手だけでなくいい試合には惜しみない拍手を送るなど非常に盛り上がった大会となった。
来年は東京での開催予定。
事務局写真レポート
来年の世界選手権大会の開催国である日本を代表して上村会長がヴィゼール会長からIJFの旗を譲り受けました