平成21年度全日本学生体重別選手権大会
第1日目 観戦記
2009年10月11日(日)・12日(月)、日本武道館において全日本学生柔道体重別選手権大会が行われた。
60kg級は、準決勝で関東1位の坂本(山梨学院大)を破った東京2位の川端(国士舘大)と東京ベスト8で、東京チャンピオンの石川を準々決勝で破った山本(日体大)になった。山本は奥襟を持ってつぶし川端に防御姿勢をとらせて有利に試合を運ぼうとしたが、川端が背負投で有効を取り優勝。
66kg級は昨年の学生チャンピオン小倉(筑波大)が順当に決勝進出し、相手も同門の田中(筑波大)との対戦となった。お互いに手の内を知っているので、ポイントがとれないままGSへ。寝技で有利に試合を進めた小倉に旗3本揃い、大会2連覇となった。
73kg級は前年チャンピオンの斉藤(天理大)と東京3位の中矢(東海大)の決勝となった。お互いに様子を見合って指導を受けた後、中矢が背負投で有効を先取。斉藤が技をつなげて攻めれば中矢に指導が与えられてGSとなった。中矢が積極的に寝技で攻め、3-0で中矢が優勝。
81kg級は東京1位の武田(明治大)を退けた田中(筑波大)と今大会ダークホース的な印象の平野(中央大)の対戦となったが、田中が内股から小内刈で有効を奪い、そのまま腕挫十字固で一本勝ち。あっという間の勝負だった。
63kg級は前年準優勝の田中(仙台大)と岡山団体の優勝メンバーで実力者の片桐(環太平洋大)の決勝となった。田中が背負投で有効をとり、腕挫十字固で一本勝ち。昨年の雪辱を晴らした。
70kg級は東京1位の田知本(東海大)と九州1位の川上(福岡大)の対戦。序盤は組み手争いが続いたが、田知本が大内刈で技有を取り、川上が四つん這いの所を背中に付いてローリング。送襟絞に入れば川上が落ちて一本。
78kg級は昨年今大会3位の北海道代表の川島(旭川大)と三戸(環太平洋大)の対戦となったが、川島が大内刈から三戸を潰して寝技に持ち込み横四方固で一本勝ちした。
78kg超級は昨年学生チャンピオンの田知本(東海大)と東京1位を下した市橋(東海大)が決勝に上がった。田知本が市橋の内股を返して技有、そのまま横四方固で抑え込んで合せ技一本勝ち。田知本の連覇。
第2日目 観戦記
48kg級
決勝戦は昨年のチャンピオン浅見(山梨学院大)と準優勝の近藤(帝京大)の昨年の決勝戦と同じ顔合わせとなった。浅見は背負投と小内刈で攻め、近藤は体落で攻めるがお互いに効無くGSへ。GSに入ってもこれといった明確なポイントは両者あげられず。
わずかに攻勢で3-0で近藤の優勝となる。
52kg級
関東地区の1位と3位の加賀谷(山梨学院大)と浅海(山梨学院大)の対戦。お互いに手の内を知り尽くしているのかなかなか技が出ず、両者に指導。その後浅海がわずかに守りになったところに指導が与えられ時間となる。加賀谷の優勝。
57kg級
昨年今大会3位の大友(東海大)と関東1位の牧(筑波大)の対戦試合開始早々、大友が前に出て組みに来たところを下がりながらの大外刈で牧の一本勝ち。
90kg級
この階級は昨年チャンピオンの西田(山梨学院大)と関東1位の西山(筑波大)が欠場し混戦となった。昨年3位の長尾(道都大)と穴井(東海大)の決勝。長尾はトリッキーな動きで相手を幻惑し、出会い頭の低い背負投で有効を先取。穴井は焦らず長尾の動きをよく見て組合い、隅返しで技有を取り優勝。
100kg級
昨年チャンピオンのテムーレン(日大)を準決勝で破った寺島(国士舘大)と同門西潟(国士館大)の対戦。西潟は長身を生かして両襟を持ち寺島を引きつけて先に技を出す事に終止。寺島に指導が2つ与えられて西潟の優勝となった。
100kg超級
この階級は百瀬(国士館大)と高嶋(国士館大)の対戦となった。お互いに技が出ず、指導が互いに二つずつ与えられ、高嶋に掛け逃げの指導が来て時間、百瀬の優勝となった。
全体的に男子よりも女子の方が元気があり、技も積極的に掛け合い面白い試合が多かったように思う。男子は前年のチャンピオンが決勝まで上がれず、混戦の階級が多かった。特に強豪大学以外の地方大学の入賞が目立った。
詳しくは全日本学生柔道連盟ホームページへ