グランドスラム東京2011 3日目
2011年を締めくくる大会最終日。男女あわせて5階級が行われ、女子が3つの金メダルを獲得するも、男子は期待の穴井がまさかの敗退。100kg級、100kg超級ともに残念ながらメダルに及ばなかった。
また、会場では、3月11日の東日本大震災で被災した福島県、宮城県、岩手県の柔道協会に対し、国際柔道連盟を代表して会長ビゼール氏から義援金20万ドル、フランス柔道連盟会長・ルージェ氏から10万ドルがそれぞれ贈られた。
≪男子≫
【100kg級】
穴井、羽賀、増渕、熊代が出場。会場の期待はやはり第一人者の穴井に集まった。しかし、この穴井が準決勝でまさかの敗退。決勝には穴井を破ったファンヒーテ(韓国)と、準決勝を棄権勝ちしたサモイロビッチ(ロシア)の顔合わせとなり、ファンヒーテが技あり、有効のポイントで勝利するかと思われたが、試合終了間際の反則で、サモイロビッチに軍配が上がった。
サモイロビッチ
「今日は運が感じられなかったが、最後の最後で日本が自分の国に運を与えてくれた。観客のみなさんも応援してくれて、ありがとうという気持ちでいっぱいです」
【100kg超級】
ベテラン・鈴木に石井、七戸、王子谷の3人の若手が登場するも、全員が予選ラウンドで姿を消した。タイトルをかけた戦いはタングリエフ(ウズベキスタン)、ミハイリン(ロシア)というベテラン同士となり、ミハイリンが栄誉を勝ち取った。
ミハイリン
「優勝したことに満足している。100kg級で同じロシアの選手が優勝したことがいい刺激になった。これまで3回オリンピックに出たが、4回目となるロンドンにも出たいと思っている」
≪女子≫
【70kg級】
第一人者の國原がケガで欠場。パリ世界選手権代表の田知本と講道館杯優勝の今井、そして田知本と同世代の上野、大野の4名が登場した。今井と大野は予選で敗れたが、田知本と上野は準決勝で対決。上野が制して、決勝の舞台では内股でブランコに一本勝ち。上野3姉妹の末っ子が初のタイトルを獲得した。
上野巴恵
「最近勝てなくて、周囲の人たちの期待を裏切り続けてきましたが、ようやく勝つことができました。まだまだ力不足ですが、来年は目の前の試合を確実に勝っていきたいと思います」
【78kg級】
準決勝前にパリ世界選手権2位の緒方、池田、岡村と3名の日本選手が顔を合わせる組み合わせとなった78kg級。日本人対決は緒方が勝ち抜け、緒方同様、活躍を期待された佐藤は準々決勝で敗退した。決勝は緒方とアメリカのハリソンの対決となり、緒方が抑え込みで「一本」を奪って2度目の優勝を決めた。
緒方亜香里
「内容は全然よくありませんでした。そこをしっかりやって、来年は絶対にロンドンに出場して、金メダルを獲りたいです」
【78kg超級】
杉本美香
「グランドスラム東京は優勝したことがない大会で、絶対獲りたいタイトルだったので、優勝できてよかった。ただ、戦っていくにはもっともっと技を出さないと。またこれから頑張ります」