ロンドンオリンピック66㎏級準々決勝戦に対する国際柔道連盟(IJF)の公式見解について(12.7.30)
原文は
IJFホームページ
に掲載されています。以下日本語訳。
準々決勝戦 海老沼匡 (日本) 対 チョジュンホ (韓国)
IJFは公平さに強く力を入れて取り組んでおり、競技柔道の一環として、試合において審判員が正しい判断を下すための手助けとなるよう、あらゆる手段を開発し、結果、最良の選手が勝利できるようにしている。
これを実現するために、ビデオシステムが設定され、効果を挙げている。
海老沼選手対チョ選手の準々決勝戦のゴールデンスコア(3分間の延長戦方式で、先にポイントを獲得したほうが勝ち)中に、委員会は2度に亘って介入した。
1度目は、3人の専門家によってビデオチェックをした後、審判団に海老沼選手の技の効果がレベル1(有効)とは認められないと、伝えた。
2度目は、ゴールデンスコア終了時に、3人の審判員がチョ選手を勝者とした時である。委員会は審判団に対し、(一旦)有効とみなされたが、その後、有効には至らないと判断された海老沼選手の技が、それでもなお、考慮されるべき一番有力な攻撃であったということを説明した。
この試合の主審と2名の副審は、委員会の専門家たちから詳細を聞かされた後、審判団の決定を変更することを決め、海老沼選手を勝者とした。
IJFは、これが最終、且つ正しい決定とする。
試合中におけるビデオの専門家の介入は、オリンピック期間に限らず効果をあげているが、最終判定(旗判定)に対して介入したには初めてのことである。
審判という仕事は大変大きなプレッシャーのもとで行われるものであり、ケアシステム(ビデオ再生システム)は今や審判員が審判する上で、大きな助けとなっている。
嘉納治五郎によって19世紀末に創設された柔道は、その道徳律の中に勇気を定義づけている。それは『勇気とは、正しいことを行うこと』である。