平成24年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 大会レポート(1日目)
ロンドンオリンピックが終わり、リオへ向けた新たな戦いが始まったーー
新しい時代を占う最初の試合、講道館杯第1日目が千葉ポートアリーナで開催され、男子60kg級、66kg級、73kg級、81kg級の4階級と、女子70kg級、78kg級、78kg超級の合わせて7階級が行われた。男女とも代表選手の出場はなかったが、大学生を中心とした若手選手が活躍を見せた。
【男 子】
60kg級は日体大が強さを発揮し、決勝は4年生の木戸慎二4年生、志々目徹3年生が対決。先輩の木戸がゴールデンスコアの末、志々目を破って初優勝を決めた。66kg級は海老沼と代表争いを繰り広げた森下純平が早々に姿を消し、60kg級で優勝経験を持つ福岡政章が吉田惟人を「技あり」で下して、2階級制覇を達成。73kg級の大野翔平が同じ天理大の1年後輩土井健史から見事な内股で「一本」をとり、81kg級では昨年この階級で優勝した長島啓太が春山友紀を接戦の末に下して2連覇を飾った。
◆60kg級 木戸慎二(日本体育大学4年)
「大きな大会ではずっと大事なところで負けていたので嬉しい。志々目は強い後輩でキレも抜群。キレやうまさはないが、攻め続けるのが自分のとりえ。後輩に負けまいと頑張った」
◆66kg級 福岡政章(ALSOK)
「2階級制覇できて嬉しい。ここまでこられたのは周りのみなさんの応援のおかげ。この階級は若い選手が多いが、おじさんも負けてられないと頑張った」
◆73kg級 大野翔平(天理大学3年)
「なんとかタイトルを獲りたいと思って臨んだ。最後まで我慢しきれたのが今日の勝因だと思う。これからも一本をとる柔道、天理の柔道をしたい。今日の勝利は次につながると思う」
◆81kg級 長島啓太(日本中央競馬会)
「連覇できて嬉しい。決勝では接戦を覚悟して試合に臨んだ。ポイントがとれてよかったと思う。昨年より安定感が出てきたのではないか。内容にとらわれず、勝つことだけを考えた。これからも1戦必勝で頑張っていきたい」
【女 子】
70kg級はこの階級で頑張ってきた國原頼子が引退し、高校生、大学生が中心となった。優勝したのは大野陽子。大住有加から「有効」を一つ奪って初勝利を決めた。78kg級は昨年の優勝者・佐藤瑠香と同じ所属の岡村智美という戦いとなり、佐藤が小外掛で一本勝ちをして2連覇。78kg超級は長くケガに苦しんできた白石のどかが復活。決勝でゴールデンスコアにもつれながらも市橋寿々華から「有効」を奪って、高校2年生以来の表彰台であり、初となるタイトルを獲得した。
◆70kg級 大野陽子(コマツ)
「初優勝ということで嬉しい気持ちはあるが、まだまだ改善するところがいっぱい。これから1年1年を大切にし、世界でももっと活躍できるよう頑張っていきたい」
◆78kg級 佐藤瑠香(コマツ)
「昨年優勝したときはとにかく勝つことだけを考えていた。今回は(手術後の)リハビリ中にやってきたこと、練習でやったことなどをやろうと思って試合に臨んだができなかった。次はやってきたことを出せるよう、これからまた練習していきたい」
◆78kg超級 白石のどか(JR東日本女子柔道部)
「高校生のときは頭がまっ白になっていましたが、今回は目の前の試合に集中することを心がけた。ケガをしてダメかというなか、周りの人に励ましてもらってここまできた。嬉しい」