第28回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 大会レポート
柔道女王を決める第28回皇后盃全日本女子柔道選手権大会が横浜で開催された。今年の皇后盃は塚田真希に続き、杉本美香が引退してから初めて行われる大会。誰が新たに日本女子重量級を率いていくのか、今後を占う大事な一戦と位置づけられるものである。
注目されたのは、昨年の大会チャンピオン山部香苗と、ここのところ海外で好成績をあげている田知本愛の2人。予想通り2人は順当に勝ち上がり、準決勝は78kg級五輪代表・緒方亜香里、2012年講道館杯優勝の白石のどかの4人となった。しかし、ここで波乱が起こる。山部が緒方の大内刈「一本」をとられ、姿を消したのである。一方の田知本は白石を上四方固でがっちり抑え込んで、決勝へ進出した。
最後のカードはロンドン五輪で2回戦敗退と夢舞台を悔しいまま終わった緒方と、なんとしてもこの大会を獲りたい田知本との対決。試合は大きな相手に果敢に向かっていった緒方が大内刈で「有効」を奪い、これが決め手となって78kg級の緒方が新しい女王の座についた。
優勝:緒方亜香里
「この大会は本物の日本一を決める大会です。皇后盃がほしかったので、まだ実感はないですけど、すごく嬉しいです。今日はなんだか特別に調子がよかった(ポイントをとったときには)もうちょっと頑張れば勝てると思いました。攻める柔道が自分の柔道です。それができ、最後まで攻めきったのがよかったと思います」