大会レポート(3日目)(執筆:広報委員会)
大会最終日、男子は苦戦。女子は78kg稲森が初のタイトルを獲得
グランドスラム東京もいよいよ最終日。男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級の5階級が行われた。
男子90kg級はアジア大会の覇者・吉田優也が欠場、昨年の同大会チャンピオンベイカー茉秋は準決勝で敗退。講道館杯で優勝した西山大希(新日鐵住金)が決勝にあがったが、カクドンハン(韓国)に敗れて2位に終わった。100kg級は今年も苦しい戦いを強いられ、4人の代表の誰も準決勝にあがることができず、メダル獲得はならず。チョグハム(韓国)がマレ(フランス)を「指導」の差で破って優勝を決めた。100kg超級も残念な結果に終わった。世界選手権で王者リネール(フランス)に迫ったことで期待が集まった七戸龍(九州電力)だったが準決勝でサイドフ(ロシア)に敗れ、続く3位決定戦でも岩尾敬太(京葉ガス)に負けてメダルなし。もう1人の期待の選手、全日本選手嫌の覇者・王子谷剛志(東海大4年)は準決勝で同じく敗れるも、3位決定戦で上川大樹(京葉ガス)からポイントを奪ってメダルは死守した。優勝は七戸を破ったサイドフ。
女子は78kg級で佐藤瑠香(コマツ)が決勝にあがったが、ロンドン五輪チャンピオン・ハリソン(アメリカ)に敗れて2位。78kg超級は講道館杯を制した大型高校生・朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高3年)とアジア大会2位の稲森奈見(三井住友海上)の顔合わせとなり、稲森が体重差の大きな朝比奈を見事な大内刈りで「一本」をとって初優勝を決めた。とくにこの日の稲森は、落ち着いていて、勝利を挙げた後も静かに、きっちりと礼をして畳をおりていった姿が印象的だった。
大会レポート(2日目)(執筆:広報委員会)
大会2日目、男子2階級を制す
グランドスラム東京大会2日目。男子73kg級、81kg級、女子63kg級、70kg級の4階級が行われた。
男子73kg級は今年の世界選手権を制した中矢力(ALSOK)がケガのため欠場するも、13年リオ世界選手権チャンピオンの大野将平(旭化成)、10年東京世界選手権王者の秋本啓之(了徳寺学園職)といった豪華な顔ぶれ。決勝はこの2人の新旧世界王者の対決となり、ベテランの秋本が積極的な攻めを見せ、ポイントひとつの差で優勢勝ちした。秋本はこの大会の優勝は3年ぶりとなる。81kg級は昨年の大会覇者で81kg期待の星・永瀬貴規(筑波大3年)が決勝に進出してトーマ(UAE)と対戦。5分では勝負がつかず、ゴールデンスコアにもつれたが永瀬が「指導」を奪って連覇を決めた。
一方、女子は厳しい戦いを強いられた。63kg級は次々と日本勢が敗れるなか、昨年の学生チャンピオン西川真帆(龍谷大4年)が活躍。銅メダルを獲得した。70kg級は今年の世界選手権銀メダルのヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)が3回戦で敗退。3位決定戦でも敗れ、昨年のこの大会の覇者の新井千鶴も(三井住友)が初戦で姿を消した。そんななか、ロンドン五輪代表の田知本遥(ALSOK)が決勝まで勝ち上がったが、フランスのベテラン・エマヌに「指導」ひとつの差で敗れた。
また、大会会場ではこの日、アスリート委員会による選手のサイン会が行われ、観客席に設えられたサイン会場には長蛇の列ができた。大会役員席後方では外国人選手・来場者に向けた「キモノ イベント」が開催。浴衣の着付けサービスを行って、「この体験はすばらしい」と好評を得ていた。
大会レポート(1日目)(執筆:広報委員会)
グランドスラム東京、開幕
初出場の17歳阿部、シニア国際大会を制す!
2014年を締めくくるグランドスラム東京2014が開幕した。金曜日ということもあって、観客席には空席が目立ったが、試合は手に汗握る戦いが見られた。
男子は60kg、66kgの軽量級2階級が行われ、各階級4人あわせて8人の日本人選手が出場。60kg級は志々目徹(了徳寺学園教)が決勝に上がったものの、キム・ウォンジン(韓国)に敗れて2位となった。66kg級では準決勝で世界選手権3連覇中の海老沼匡(パーク24)と今大会注目選手の1人である阿部一二三(神港学園高2年)が対決。会場中の視線を集めた1戦は阿部がチャンピオンから「技あり」を奪う大金星をあげ、その勢いのまま決勝ではイスラエルのゴランポラックを破ってビッグタイトルを獲得した。その戦いぶりに、観客席の外国人選手から「アベ・タイガー!」という賞賛の声が聞かれた。
一方、女子は48kg級、52kg級、57kg級の3階級が行われ、そのうち2階級の決勝が日本人対決に。48kgでは昨年の大会覇者・近藤亜美(三井住友海上)が元世界女王の浅見八瑠奈(コマツ)を、52kg級では橋本優貴(コマツ)がベテラン西田優香(了徳寺学園教)を破って優勝した。この優勝で近藤は同大会2連覇、橋本は3連覇となった。ロンドン五輪金メダリストの松本薫(フォーリーフジャパン)が出場した57kg級は、松本が順当に勝ち上がって決勝でライバル・モンテイロ((ポーランド)と顔を合わせたが、危なげない戦いで一本勝ちをおさめた。
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大会2日目となる6日(土)は女子2階級(63kg級、70kg級)、男子2階級(73kg級、81kg級)の4階級が行われる。会場ではアスリート委員会によるサイン会も予定されている。