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【女子柔道振興委員会】JJ VoiceNo.46 後藤 徳子さん

プロフィール

後藤 徳子(ごとう のりこ/旧姓:松尾)1971年 長崎県生まれ
三浦市立南下浦(みなみしたうら)中学校教諭・柔道部顧問
海人(かいと)柔道クラブ代表
講道館柔道女子六段

主な戦績:

1989年 皇后盃全日本女子柔道選手権大会 準優勝
1993年 全日本女子柔道体重別選手権大会 72㎏級 優勝
1993年 世界柔道選手権大会(ハミルトン) 72㎏級 出場

この度、通場千里さんからバトンを受け執筆させていただくことになりました。後藤徳子と申します。通場さんは、同じ現役時代を過ごした大切な戦友です。

それでは、私の紹介をさせていただきます。柔道との出会いは、警察官の父と一つ下の弟の影響を受け小学校3年生より奈良で柔道を習い始めました。小学校6年生の春に大阪府箕面市へ転居し、箕面柔道協会へ入門しました。小・中学校時代の恩師柏固郎先生から柔道に対する取り組み方と基礎を教わりました。その後、東海大学付属仰星高等学校から憧れの東海大学へ進学しました。不器用でコミュニケーションが苦手な私に対し、偉大なる先生方は、気長に怒ることなく丁寧にご指導してくださいました。東海大学卒業後、横浜そごうへ入社しました。入社後も東海大学で目標に向け専念できる環境を与えていただきました。残念ながらオリンピックへ出場することはできませんでしたが、色々な方から温かく見守っていただき頑張り続けることができました。心から感謝しております。
結婚後は一線から退き、横浜そごう柔道部の道場へ拠点を移しコーチ兼選手として練習に励みました。横浜そごう柔道部員は、皆誠実でアットホームな仲間でした。しかし、2000年横浜そごうが経営破綻をし、運動部全て廃部となりました。当たり前のようにあった環境が無くなり、今までどんなに恵まれていたのか痛感しました。大好きな仲間との別れは、耐え難いものがありました。

横浜そごう退社後は、以前から興味のあった福祉の仕事に就きたくヘルパー2級講座を受講し資格を取得しました。その後、横浜市から三浦市へ転居し、近隣の介護付き有料老人ホームのアクティビティ部門で2年、介護部門で2年勤務しました。勤務して3年目に、介護福祉士を受験し資格を取得しました。アクティビティ部門では、フィットネス、気功、プール内でのエクササイズの指導、イベントの企画、館内の装飾など、多種多様なことを学び身につけることができました。介護部門では、4交代制の勤帯で勤務しました。入居者との関りの中で喜びや感動もあり遣り甲斐のある仕事でしたが、ハードな勤帯のため精神的、体力的に疲れる日々でした。

そんなある日、森山先輩(旧姓:八戸)のお宅へ遊びに伺う機会がありました。先輩に仕事の話しを聞いていただいている最中「松ちゃん、中学校の教員になってみれば。」との薦めをいただきました。「確かに教員の道もありなのかな。」と素直に思いました。早速、横須賀市教育委員会へ臨時任用職員登録をしました。条件とし保健体育科で柔道部のある中学校を希望しました。後日、教育委員会から連絡を受けた内容は、特別支援級担任と柔道部ありの中学校でした。福祉に興味がある私にとって特別支援教育に携われることは、凄く有難いお話でした。横須賀市の中学校で1年勤務しました。その翌年、三浦市で臨時任用職員登録をし三浦市立南下浦中学校で勤務することになりました。現在、特別支援級担任と柔道部顧問になり15年目です。そして、個人的に柔道クラブを起ち上げ12年目です。柔道クラブの方は、勤務との兼ね合いを計りながら、近隣の学校開放と体育施設を借りて活動しています。中学校の柔道部顧問、柔道クラブの指導者となり、さまざまな個性を持った生徒に出会いました。生徒の個性を受け入れつつ、自身の経験や今まで出会った方から学んだことを活かし指導することに心掛けています。生徒達には、与えられた環境に感謝し、人との関わり方を学び、生きていく力を身につけて欲しいと願っています。最近、指導者として幸せを感じることが沢山あります。それは、卒業生達の頑張りです。調理師、公務員、芸術家、会社員など、自分で選択した道をしっかり歩んでいる姿を見かけたり、近況報告を受けた時です。卒業生の思い出を振り返りながら「今、指導している生徒達も、数年経てば立派に成長するのかな?」なんて考えフフッと一人笑いすることがあります。教職に就き、柔道指導者になり、良かったな!と思う瞬間です。昔、母から「人生の中で出会った人、自身の経験は、徳子にとって大切な財産になるよ。」と、言われました。本当に母の教えの通りです。色々な方と出会い良い影響を受け、様々な経験を通して今の私があります。これからも与えられた環境に感謝し、私にできる柔道を前向きに取り組んで行きたいと思います。

海人柔道クラブの仲間たちと
三浦市立南下浦中学校-柔道部員たちと

次回は、後藤さんと同じ関西出身で同学年・同階級の戦友であった、浅田ゆかりさんが登場します。

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