プロフィール
通場 千里(つうば ちさと/旧姓:石橋)1973年 東京都生まれ
NPO法人 武道学舎 指導責任者
講道館柔道女子四段
主な戦績:
1994年 全日本女子柔道体重別選手権大会 66kg級 2位
1995年 全日本女子柔道選抜体重別選手権大会 66kg級 優勝
1995年 世界柔道選手権大会(幕張)66kg級 出場
皆様こんにちは。この度、岩田千絵ちゃんからバトンを受け取りました通場千里と申します。
私と千絵ちゃんが初めて会ったのは、千絵ちゃんが小学6年生の時で、一緒に稽古をしたのですが、とてつもなく強い小学生でとても驚いた事を記憶しています。それから何度も一緒に稽古をする機会があり、プライベートでも仲良くさせて頂いている妹のような存在です。
私と柔道の出会いは小学4年生、ロサンゼルス五輪で山下泰裕先生が脚を怪我しながらも金メダルを獲得した姿をテレビで観た事でした。子供ながらに感動し、体に衝撃が走り、「私も柔道でオリンピック金メダリストになりたい」と強く思いました。それから自ら道場を探し、「柔道をやりたいから一緒について来て欲しい」と母親を伴い豊道館西村道場に入門のお願いをするも、西村道場の師範に、「うちは厳しいから」と門前払い。それでも諦めきれない私は三度、お願いに足を運び、何とか見学の許しを得て、その後ようやく入門を許される事になりました。
いざ入門すると月曜日から土曜日の週6日の稽古は師範の仰る通り、本当に厳しいものでした。礼法、挨拶、掃除、受身の徹底的な教育、先生方とのフラフラになるまでの乱取り。まさにスパルタという言葉が相応しい、修業と言えるような日々でした。その中でも、「オリンピックで金メダルを獲りたい」という気持ちを持ち続けて、厳しい環境に耐えた事が、後の自信となり力になったと思います。
高校は修徳高校に進学し、卒業後は、あさひ銀行(現りそな銀行)→綜合警備保障で柔道を続けました。結果的に五輪出場は叶いませんでしたが、日本代表として95年幕張世界選手権に出場出来た事は私の宝物です。御指導して下さった先生方、先輩方に本当に感謝をしています。
今、私は静岡市清水区にあるNPO法人武道学舎で幼児から大人まで柔道指導をしています。子供達に教える際は、出来るだけ簡潔で理解をしやすいようにと考え、大事なことはしっかりと伝わるまで、何度も何度も同じ言葉を掛け続け、時には自分の子供時代を思い出して参考にするなど、試行錯誤を繰り返しながら、柔道指導に没頭する毎日です。柔道の指導はとても難しいですが、子供達が少しずつ成長していく姿を見て感じると、とてもやり甲斐を感じ、「もっと頑張ろう」といった気力が湧いてきます。
私は柔道に出会い、育てて頂いたお陰で今があります。教え子達が「柔道に出会って良かった、続けてきて良かった」と思えるように全力で素晴らしさを伝えていきたいです。そしてその柔道に恩返し出来るよう、これからも精進してまいります。
次回は、現役時代は通場さんと同階級のライバルであり、
現在は共に少年柔道の指導者として交流のある後藤徳子さんが登場します。