プロフィール
井上 めぐみ(いのうえ めぐみ/旧姓:長瀬)1982年 岐阜県生まれ
佐賀県立佐賀商業高校柔道部コーチ
講道館柔道女子参段
主な指導歴:
2004年 ロシア国際柔道大会 78㎏級 優勝
2005年・2007年 チェコ国際柔道大会 78㎏級 優勝
2006年 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 78㎏級 優勝
坂本(旧姓:浅見)八瑠奈さんからバトンを受けとりました井上めぐみと申します。
八瑠奈さんとは現役時代は年代が違ったため、あまり関わることがなかったのですが、佐賀に嫁いで来られ、やがて生まれた子ども同士の歳が近かったこともあり、今はとても仲良くさせてもらっています。
今回、少しですが私の柔道人生をお話させていただきたいと思います。
私の柔道生活は怪我との二人三脚でした。中学生の時に発症した腰椎分離症から始まり、高校生で腰椎椎間板ヘルニア、大学生で腰椎脊柱管狭窄症、実業団時代は右膝前十時靭帯断裂、左肩肩鎖関節脱臼。3回の手術を経験しました。当時は、怪我の多い自分に悩まされてきましたが、その度に経験したリハビリやトレーニングが指導者となった今、生徒たちに生かす事ができており、まさに結果オーライです。
現在は主人が勤めている佐賀県立佐賀商業高校にて、柔道部外部コーチとして柔道とに携わっています。私生活では、親元を離れて生活をしている寮生10人と、5歳の息子、3歳の娘、計14人家族。毎日お弁当と食事を作っています。よく、「大変でしょ~!」と言われます。実際、めちゃくちゃ大変ですが、今まで一度も『苦』だと思ったことはありません。県立高校のためあと数年で移動となり、この生活もいずれ終わりがきます。その方が淋しくて『苦』です!普段はただの子供好き、世話好きおばさんです。毎日、練習を頑張って終えて帰ってくる子どもたちの体は、「私の作ったご飯で作られるんだ~」と思うと身の引き締まる思いです。
練習には週末土日、平日3日ほど行かせてもらっています。私の役目は、内股、大外刈の技術を中心に教えることです。そして、監督に怒られてへこんでいる生徒をなぐさめたり、ちゃんと理解できていない子に、とことん目線を下げて解りやすいように噛み砕いて伝えたりすることが私の仕事です。基本、母親役のため生徒たちに色々な感情が入ってしまい、たまに怒られている姿を見ていてこっちが泣きそうになります。未だに試合は見に行きたくありません。実際、一年前までほとんど試合会場に行けませんでした。なぜなら、心臓がもたないからです。それでも試合に行かなくてはいけない際は、救心と太田胃散を飲んでいきます。
いつも日頃から生徒たちに『努力と結果は物々交換』と伝えています。その言葉を信じ、本気で一生懸命、努力を差し出す生徒たちの姿は本当に輝かしいです。これからも、そんな子どもたちのために、一人一人の人生を大切に、責任をもって支えていきたいと思います。
次回は、中学のジュニア時代から数々の合宿や国際大会を共にし、
了德寺学園の同期でもある米富(旧姓:七條)芳美さんが登場します。
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