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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.37 福見 友子さん

プロフィール

福見 友子(ふくみ ともこ)1985年 茨城県生まれ
JR東日本女子柔道部 ヘッドコーチ
講道館柔道女子六段

主な指導歴:

2009年 世界選手権大会(ロッテルダム)48kg級 優勝
2012年 ロンドンオリンピック 48kg級 5位
2012年 ワールドマスターズ(カザフスタン)48kg 優勝

女子柔道の歴史は、これまで多くの先輩方のご尽力により受け継がれていることを改めて知ることができました。このような素晴らしい企画に参加させていただき、大変光栄に思います。競技者としては、ジュニア期に初めて出場した国際大会から数えて、世界各国の大会や遠征に参加させていただきました。その国の言語や文化、価値観の違いを肌で感じ、柔道を通して知らない世界を知ることができました。選手を引退後は、かねてから興味を抱いていた世界の柔道の指導法を学びに行きました。例えば、ロシアナショナルチームでの技術コーチ、イギリスの大学クラブでの学生指導、柔道指導者育成事業のアシスタント、各カテゴリーを対象とした技術セミナーなど。いずれも当時私が忘れていた柔道の楽しさや素晴らしさを伝える他国での指導スタイルに強烈な刺激を受け、次のキャリアへ向けた新たな目標を見つけることができました。「百聞は一見に如かず」の言葉のとおり、自分の心でみて見て感じたことは、財産になると思います。柔道に携わる皆さんには、ぜひ日本で生まれた柔道を通して世界を見て思考の輪を広げ自分を知るチャレンジをしてほしいと願っています。

私は現在、全日本柔道連盟の女子コーチとJR東日本女子柔道部のヘッドコーチを務めております。今こうしてコーチという職業に魅了されるのは、人と人との繋がりの中で真のやりがいを感じることができるからです。これからも世界を巡り知ることのできた柔道の素晴らしさや勝敗を超えたスポーツの持つ大きな力を一人でも多くの方に伝えていけるよう努めてまいります。家庭では4歳になる息子の母親です。仕事をしていく上で、家族の存在が私の大きな支えです。女性は様々なライフステージを経て、変化を求められることでしょう。決断を迫られた際には、自分や家族にとって「大切なことは何か」を考えてみてください。時代の変化とともに、女性が働きやすい環境整備が進められています。柔道界においても関係各位の皆さまやこれまでの道を築かれた先輩方のご尽力により、女性が活躍する機会をよく目にするようになりました。これは女子柔道に携わる者として、とても励みになります。しかし一方で、柔道を志す子どもや柔道愛好者は減っているという残念な話を耳にします。今の時代に沿った柔道の魅力を少しでも伝えていけるよう、私なりにできることを考えていきたいと思います。

最後になりますが、現在世界中が新型コロナウィルスとの共存を求められています。スポーツの価値を問う今だからこそ、柔道の素晴らしさに立ち返り変化をしていくことで新たな気づきを得る機会になるのではないでしょうか。この「発想の転換」はこの度ご紹介いただいた塚田真希先生からお贈りいただいた言葉です。この言葉を胸に、私はどうあるべきかという問いを常に持ち続け、精進してまいります。

JR東日本女子柔道部の柔道場にて海外の選手を招いて稽古
小学生を対象とした学校柔道教室
イギリス柔道連盟の指導者育成事業

次回は、現役時代は最高のライバルであり、現在は全日本コーチとしても、ママ友としても共に協力し合い大きな支えとなっている、坂本(浅見)八瑠奈さんが登場します。

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