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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.129:三澤 寿栄さん

 

プロフィール
三澤 寿栄(みさわ ひさえ/旧姓:宝)1979年宮崎県生まれ
宮崎日本大学高等学校、保健体育主任
講道館柔道女子四段

主な戦績
2003年・2006年 全日本選抜柔道体重別選手権大会 52kg級 優勝
2007年 環太平洋柔道選手権大会 52kg級 優勝

松崎みずほ先輩よりバトンを受け取りました、三澤(旧姓:宝)寿栄と申します。
みずほ先輩と最初に出会ったのは、ドイツジュニア国際大会がきっかけでした。その後も、コマツ女子柔道部の先輩として柔道はもちろん、ショッピングで下北沢など東京のおしゃれな街を案内してもらったり、食事にも誘ってもらったりする中で多くの事を教えてもらいました。

私は、JJ Voice №10で紹介された妹(宝真由美)の影響で、小学6年生の終わりに柔道を始めました。両親が自営業で精肉店を営んでいたため、旅行に行く機会がなかった私にとって、同世代の子どもたちと行く県外への試合や遠征がとても魅力的に感じ、柔道がしたいと父親を説得しました。それまで習い事をしてもろくに続かず飽きっぽい性格でしたが、柔道だけは現在に至るまで継続することができています。

振り返ると、改めて柔道という競技に出会えたことに感謝しかありません。柔道をしていたお陰で、色々な場所に行くことができ、柔道を通じてたくさんの仲間や友人ができ、たくさんの経験や思い出を共有することができました。私がこれまでに生きてきた人生の中で、もし柔道をしていなかったらどのような人生を送っていたのだろうと想像できないくらい、どっぷり柔道に浸かっています。そして、今も現在進行形で柔道に関わることができています。

私が、今こうして柔道に向き合うことができているのは、入門した道場の影響が大きいと思います。たまたま家の近くにあった静充館柔道場は、当然の如く日本一を目指す道場でした。そんなこととは知らずに入った私でさえも、日本一という重たい目標を背負い、目指すことが当然なのだと思っていました。そこでは厳しい練習の中にも投げる楽しさや、目標を持って取り組む充実した時間を過ごすことができました。 

高校時代にこれから先の人生を想像する中で、ずっと柔道に関わることができる仕事に就きたいと思うようになりました。理由は柔道が好きで、目標に向かって努力する人を応援し、サポートして力になりたいと思ったからです。
今でこそトレーナーや栄養士など、様々な職業があると思うのですが、当時の私には部活動の指導しか思いつきませんでした。
部活動を指導するためには、学校の先生にならないといけない。そのためには教員免許を取得しなければいけないという事で、教育学部のある横浜国立大学に進学しました。

大学では思うような結果を残すことができませんでしたが、横浜国立大学の恩師、木村昌彦先生からコマツ女子柔道部の松岡先生を紹介していただき、練習会に参加しました。何の実績もない中で、株式会社小松製作所に入社させていただくことになりました。
コマツで選手として過ごさせていただいた8年間は、本当に充実しており、社会人として、選手として、本当にたくさんの事を学び経験させていただきました。コマツは世界各国に支社があるため、国際大会などでも現地の方がたくさん応援に来てくれ、いつも大変心強かったです。社会人になり、初めて応援してもらえることの有難さを感じることができました。
大学で終わるはずだった私の競技者としての生活は、松岡先生や長井(現:中村)先生を始め、コマツの関係者の皆様やチームメイトの存在のお掛けで、充実した選手生活を送ることができました。今でも、コマツ女子柔道部は会社のサポート体制も含め、世界一のクラブチームだと思っています。

現在は、母校である宮崎日本大学高等学校で保健体育科教諭と柔道部の顧問をしています。
様々な個性を持った生徒たちと向き合うことは、一筋縄ではいかないことも多々ありますが、それぞれの目標に向けてひたむきに頑張る生徒たちと同じ時間を共有し、一緒に成長していけることを誇りに思います。

これからも生徒たちの夢に自分自身の夢を重ねて、柔道を通して成長して行けたらと考えています。

全日本選抜柔道体重別選手権大会後に松岡先生と
生徒たちに誕生日を祝ってもらいました

次回は、三澤さんの実業団時代(コマツ)の恩師である、松岡義之さんが登場します。

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