プロフィール
湯田 美代子(ゆだ みよこ/旧姓:大伴)
1982年 滋賀県生まれ
講道館柔道女子四段
武庫川女子大学附属中学校・高等学校 教諭
主な戦績
2001・03・04年 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 48㎏級 出場
2004年 全日本学生柔道体重別選手権大会 48㎏級 ベスト8
2006年 のじぎく国体 成年女子 5位(滋賀県チーム)
皆さんこんにちは。湯田美代子と申します。
今回、指導者としてはもちろん、女性としても憧れている河合先生からバトンを受け継ぎました。このような機会を頂き大変光栄に思います。
まず、自己紹介をします。私は漫画の『YAWARA』に憧れて柔道を始めました。父や弟たちと通っていた大津柔道協会で田中清太郎先生の教えのもと、厳しい練習の日々を送りましたが、先生方のオン・オフの切り替えが素晴らしく、大家族のような道場のおかげで私は柔道が好きになりました。
地元の滋賀県立草津高校に進学し、平瀬憲昌先生、石橋正樹先生に『心感懸生』という言葉を教えていただきました。「心に残る感動は、一生懸命取り組むことで生まれる」という意味で、この言葉は今も私の座右の銘になっています。
その後進学した早稲田大学の柔道部は、器の大きな小野沢弘史先生のもとで練習メニューや出稽古など全てにおいて学生が考え、行動していました。そんな先輩方の姿から、指示されたことをこなすだけの受け身の練習ではなく、どうすれば強くなれるかを自ら考えるPDCAの基礎を学びました。この経験は指導者になった今、大いに活かされています。
大学卒業後は5年間、私立京都学園中学校高等学校(現在の京都先端科学大学附属中学校高等学校)に勤め、指導者としてのいろはを教えていただきました。
現在は、兵庫県にある武庫川女子大学附属中学校・高等学校の社会科教員として勤務しています。柔道部は武庫川女子大学の監督である岡崎祐史先生と共に2011年度に創部し、中高大の10年間を通して女子選手を育てています。
教員となり、20代はがむしゃらに突っ走り、30代は結婚、出産を経験して二児の母となりました。40代になった今、仕事、柔道、子育てとしなければいけないことが増えました。常に全力で取り組んでいるつもりですが、思うようにうまくできない自分を責め、このままでいいのかと悩む時もあります。
しかし、大学の岡崎先生やコーチの近成先生をはじめ、時短勤務は遠慮せずに権利として取りなさいと応援してくれる職場。休日は道場に連れて来る息子たちの子守りをしてくれたり、後輩たちの練習相手になってくれたりするOG。家を空けることが多いにも関わらず支えてくれる家族。子育ての先輩として温かく見守ってくださる保護者。とにかくたくさんの方に感謝しきれないほど支えられ応援してもらっています。そして、何より私を信じて入部してきてくれた部員たちが開花する瞬間をそばで見ることができる、そんな大きな感動を味わえる仕事にやりがいを感じているからこそ、これまで続けてこられました。
最後に、私は柔道のおかげで一生付き合える仲間に出会い、努力する大切さ、忍耐力、感謝の気持ちなど人として大切な事を学びました。柔道をしてきて本当に良かったと思っています。だからこそ、教え子たちにも勝ち負けだけではなく、柔道を通して多くの事を学び、社会に出た時に、自分の置かれた場所で花を咲かせられる人になってほしいと願っています。私自身も女子校の指導者として、彼女たちの見本となれるよう、これからも周囲の支援に感謝しながら私らしく頑張っていきます!
次回は、湯田さんの草津高校の後輩にあたる、小財(旧姓:馬籠)恵子さんが登場します。