プロフィール
武田 淳子(たけだ あつこ)1975年 神奈川県生まれ
三浦学苑高等学校教諭・女子柔道部顧問
講道館柔道女子六段
主な戦績
1994年 全日本女子柔道体重別選手権大会 52㎏級 優勝
1994年 アジア競技大会(広島) 52㎏級 準優勝
1998年 全国女子柔道体重別選手権大会 57㎏級 優勝
1999年 全日本女子柔道選抜体重別選手権大会 57㎏級 優勝
こんにちは。今回、丸野(旧姓:山口)瞳さんから紹介をいただきました、武田淳子です。丸野瞳さんは埼玉大学の同級生であり、コマツへも一緒に進み、6年間共に汗を流した仲間です。お互い高校生の指導者となった現在も、山形県と神奈川県と遠く離れてはいますが、合宿などで行き来する仲でもあります。
私は小学2年生から柔道を始め、25歳で現役を引退しました。日大藤沢高等学校では波多野和敬先生、埼玉大学では野瀬清喜先生、コマツでは松岡義之先生の情熱ある温かい御指導の下、充実した競技生活を送らせていただきました。また、高校2年生から強化選手として、全日本強化合宿や国際大会、海外遠征にも参加させていただく中でのたくさんの方々との出逢いと多くの貴重な経験は、今の私の宝物です。勝ったり負けたりの競技生活でしたが、最後の試合となった全日本実業団体大会での団体優勝で競技生活を締めくくることができたことは、大変幸せなことだと思っています。
現役を引退後は、地元の神奈川県に戻り、三浦学苑高等学校で保健体育科教諭、女子柔道部顧問として勤務しています。また、現在私は審判活動をさせていただいております。初めは、選手の人生を左右するかもしれない勝敗を決する審判員という役割を、自分が担うことに強い恐怖感があり、積極的になれませんでした。しかし、少しずつ大きな大会で審判をする機会を与えていただくようになり、ベテランの審判員の方々が温かく迎えて下さり、多くのアドバイスをいただくようになると、審判員の役割の重要性と共に面白さを知るようになりました。現役時代には当たり前だった緊張感を再び感じるようにもなりました。柔道は、常にルールの見直しや変更が行われます。よって、審判員は柔道とルールを良く理解し、今の柔道の流れを知ることが必要です。そして、選手が正々堂々とエキサイティングな柔道ができるように試合を裁く力を身に付けていかなければならないと思っています。
審判員は、様々な立場や職業の方がいます。道場指導者、中学、高校、大学の教職員、警察官、会社員や会社の社長、公務員…など。審判員として大会へ行った際の交流は、私にとって良い刺激になっています。審判員にとってコミュニケーションを取ることは大切なことで、大会時には試合会場ではもちろん、会場外での食事!?の場などでも、試合について、ルールについて、柔道についてと、たくさんの意見交換をします。目的は、審判員として試合を裁く為ですが、私にとっては色々な見方や考え方があることを実感し、審判活動以外の生活の中でも活きる、貴重な機会です。
最後になりましたが、私には2人の息子がいます。母親?の私が指導者として選手に関わり、審判員として審判活動で飛び回っている間に、息子たちは大好きなサッカーをしてスクスク育って、いつの間にか大学生になっていました。こんな呑気な事を言えるのは私の活動に理解し、協力してくれた両親のお陰で、感謝しかありません。柔道界でも女性が活躍しやすい場になっていることに感謝し、私自身一人の女性として、一人の人間として成長していきたいと思っています。
次回は、武田さんと現役時代から親交があり、現在は共に審判員として活躍している、樽谷哲子さんが登場します。