まいんど vol.43 全日本柔道連盟
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持久力について持久力とは何ですか?エネルギーとビタミンB1を補給する酸素の運び役は、赤血球栄養&レシピ編スコア稽古中、バテやすくなりました。持久力をアップできる栄養素はなんですか? 持久力(スタミナ)は、長い時間動き続けられる力のことです。長い時間動き続けるには、エネルギー源を十分に補給できていること、そして、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、赤血球の材料となるタンパク質、鉄が必要です。どんな食品がいいのでしょうか?「しっかり栄養はとっているつもりなのに、バテやすいなぁ」。そんなふうに感じることありませんか? 今号では、持久力アップに必要な栄養素をご紹介します。ぜひこの機会に食生活を見直してみてください。それ、もしかしたら、必要な栄養素がとれていないのかもしれません。運び役となる赤血球の材料(タンパク質、鉄)」が必要と考えます。柔道は体重階級制競技のため、選手によっては「体重を増やしたくない」という理由から食事量を控えていることがあります。食事量が減ると、エネルギー補給量も減りますので、稽古やトレーニングに必要なエネルギー量を確保できなくなります。持久力を上げるトレーニング内容は、主にランニングなど長い時間体を動かすトレ選手から「持久力を上げたい。何を食べればいいですか」と、質問を受けることがあります。私から「持久力というのは、どういう力ですか?」と質問すると、選手は「え〜っと」と、言葉を詰まらせることがあります。私は、持久力とは「長い時間、体を動かし続ける力」だと思います。長い時間、体を動かし続けるには、「体を動かすエネルギー源(主に炭水化物)」「炭水化物の代謝に関わるビタミンB1」「酸素のーニングを行うことが多いと思います。体を動かすエネルギーが足りなくなると、トレーニングの途中でバテて、中断してしまうかも知れません。結果、トレーニングを最後までやり切ることができなくなり、持久力を上げることが難しくなります。稽古・トレーニングの中盤から後半にかけて、集中力が落ちる、足が動かなくなる、ランニングのタイムが遅くなるなどの事象が起こる時は、エネルギー補給量が足りないのではと考えます。また、エネルギー源となる炭水化物を消化吸収し、体の中でエネルギーとして使うには、エネルギー代謝に関わるビタミンB1が必要です。ビタミンB1が不足すると、炭水化物を十分に補給できていても、エネルギーに変えにくくなり、バテやすくなります。長い時間運動を続けるには、酸素が必要ですね。血液には、赤血球、白血球、血小板などの細胞成分がありますが、それぞれの働きを覚えていますでしょうか。これら3つの中で酸素の運び役はどれでしょうか。酸素の運び役は赤血球ですね。赤血球は、タンパク質と鉄から作られています。鉄が不足すると、「鉄欠乏性貧血」になり、息切れ、めまいなどが起こり、稽古・トレーニングについていけなくなるかも知れません。「鉄欠乏性貧血」は、血液検査しヘモMurray-Kolb Laura,Beard John, Iron treatment normalizes cognitive functioning in young women. The American Journal of Clinical Nutrition, 85(3), March 2007, Pages 778-787管理栄養士/調理師。全日本柔道連盟強化委員会科学研究部員、JOC強化スタッフ(情報・戦略、医・科学スタッフ)。12年ロンドン五輪では柔道女子、16年リオデジャネイロ五輪から柔道男女の栄養サポートを行う上村香久子PROFILEうえむら かくこ注意力正常グループ記憶力鉄不足グループ鉄欠乏性貧血グループ学習力図1 貧血の状況別のテストスコア34まいんど vol.43AQ-0.45-0.25-0.35-0.05-0.150.05 0.150.25

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