まいんど vol.43 全日本柔道連盟
17/48

岩手県高体連柔道専門部委員長 北広道 岩手県高体連の普及に向けた取り組み柔道の競技人口減少は、当県にとっても喫緊の課題となっています。窮状を打開すべく、近年は以下のような試みを行ってきました。柔道の魅力を真に共有できる 環境整備高校入学後、柔道という新しい道に挑みながら、初出場する大会で有段者と対戦し、息つく間もなく敗れ、自信を失う生徒が生じることに忸怩(じくじ)たる思いを抱いてきました。そこで、すべての選手のモチベーション維持と自己肯定感の涵養(かんよう)、柔道の魅力を十分に伝えることを目的として、県中学校部活動地域展開は、都道府県や自治体によって大きく状況が異なります。しかし、中学校で柔道を始める生徒がいなくなってしまうという課題は、どこも共通する悩みです。これは中学校だけの問題ではありません。以前は高校で柔道を始める生徒も多く存在しましたが、最近は大きく減少しています。大会に参加する学校数、選手数も大きく減少しています。その中で、各県高体連はさまざまな工夫を行っています。今号は、岩手県高体連の取り組みを紹介します。新人大会において「無段の部」を実施しています。拮抗した実力の者同士が全力を注ぎ合う試合が続き、終了後の選手たちの晴れやかな表情は所期の目的が十分に達せられたことを物語っていました。「無段の部の応援を通して、実力差に関係なく個人の努力は等しく価値があることを改めてチームで共有できた」という趣旨の評価が多数寄せられたことも望外の喜びでした。指導者の修養推進選手とともに成長できる指導者の育成を目的として、大会を終えた選手を対象に、部活動におけるニーズや不安材料などに関する意識調査を実施しました。選手の意向に迎合するのではなく、調査結果を指導方針へ適切にフィードバックできる指導力では、園児とオリンピックメダリストの笑顔あふれる交流が行われました。間近で見る金メダルに目を輝かせて歓喜の声があがり、メダルには力があることを証明した瞬間でもありました。「柔道」をまったく知らない子どもたちは何のハードルもなく柔道を愛おしみ、おもしろがります。無論、こちらも楽しくできるよう工夫を凝らしますが、元来じゃれ合うことを好むこの月齢の子どもたちは、人を投げる、投げられる経験そのものを純粋に楽しみます。安全に考慮しながら、黒帯を付けた指導者を投げる体験も行いました。その指導者の中にオリンピックメダリスト髙市未来さんもいます。何度も髙市さんを投げにくる子もいて、柔道に魅了されたのか笑顔がこぼれました。柔道体験の中でも「受け身」を幼児へ伝えることには工夫が必要です。今回の幼児向けの教室は絵本を使いながら教室を実施しました。集中力がなかなか続かない月齢の子どもたちを集中させるアイテムの一つとして、絵本は大変有効です。「受け身」自体の言葉を理解できないので、転んだ時に大きなケガをしない方法を伝えるよと、子どもたちの目線に合わせた言葉かけも重要です。そして、その園で従事を高められるよう、指導者が不断に努力することで、優れた選手が育まれ、それが次世代の有為な指導者の輩出にも繋がるという好循環の実現を目指すものです。りですが、全国の優れた実践に学びつつ、岩手からできることを模索し続けたいと考えています。障スポ2025』まで1年を切った11月18日、滋賀県長浜市きのもと認定こども園内のホール以上の試みは緒に就いたばか転び方教室の可能性『わたSHIGA輝く国スポ・************▲試合を終えた選手と監督▲無段の部に出場した選手のみなさん〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜16まいんど vol.43普及普及のの広場広場

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る