まいんど vol.43 全日本柔道連盟
15/48

技による決着を目指しIJFがルール変更!2025―2028国際柔道連盟試合審判規程の変更点について1.技の定義・「一本」、「技あり」に加えて3つ目のスコアとして、「有効」が追加されます。・「有効」の累積は、「技あり」に加算されません。・「一本」の定義に変更はありません。①スピード、②力強さ、③背中が着く、④コントロールしている、の4つが評価基準となります。・「抑え込み」時間は、「一本」20秒、「技あり」10秒、そして「有効」は5秒です。ゴールデンスコア方式の延長戦では、「抑え込み」5秒で「有効、それまで」となります。2.「技あり」の定義・従来とおり「一本」の4つの評価基準の内、1つを満たしていない場合に「技あり」が与えられます。・最初の着地から2回目の着地まで中断があるものは「技あり」が与えられます。※2ランディング(1アクションではなく2アクションでの着地=側面の着地から背中の着地、尻餅から背中の着地等) ・体側面が着地し、背中側に肩のラインが与えられます。3.「有効」の定義・尻餅(上半身が背中側に90度以上傾く) ※両肘/両手/片肘と片手が着いた場合は「有効」はありません。・背中上部の着地。・肘の着地(背中側に90度以上傾く)。※脇が空いていてもスコアとなります。・体側面の着地(背中側に90度あるいは若干うつ伏せ)。補足説明体側面から着地した際に、畳に対して肩のラインが90度は「有効」であり、それを超えて背中側に倒れていれば「技あり」となります。そして、やや90度には満たな審判規程変更の趣旨今回のルール変更は、柔道に関わる選手、指導者、審判員並びに柔道ファンに対して、できるだけわかりやすく、おもしろく、柔道が発展していくことを念頭に行われました。やはり柔道の魅力は技の醍醐味であるた                     め、できるだけ技で試合を決着させるようなルールでなければならない、ということを主眼に変更がなされました。近年の大会では、ゴールデンスコア(GS)が頻繁に発生し、「指導」狙いの試合が増加していることから、そこを抑制していくために、ペナルティの緩和と簡素化が行われ、併せて幅広くなった「技あり」の評価を適正化するために、技の評価を細分化し「有効」を加えることで、技による試合決着を、選手自身が目指すことを求めました。審判規程変更の経緯ルール変更の経緯は、2024年10月に、IJFの審判理事及び各大陸の審判理事によるミーティングが行われ、ルール変更の検討が行われました。その会議には、日本側(講道館並びに全柔連)の意見も集約され、提出されました。このミーティングで検討されたなかには、大幅な脚取りの緩和や判定の復活及びセンタージュリー介入の抑制等も含まれていました。そして、2024年12月にイスタンブールで行われたIJFテクニカルセミナーにおいて、今回のルール変更がアナウンスされました。主な改正点・「有効」ポイントの復活・ペナルティの緩和(組み手、逆背負投、ベアハグ、ダイビングヘッド、危険技および場外「指導」・押し出し「指導」の解釈変更)、偽装攻撃の見極めをしっかり行うことなど。このルールの適用は、2025年2月のグランドスラム・パリからスタートし、その後の国際大会における運用状況を検証し、2025年6月のブダペスト世界選手権大会後に見直し(微調整)が行われる予定です。国内においては、2025年4月の全日本選抜体重別選手権大会から導入されるので、国際大会におけるルールの適用状況をぜひご注目ください。 4年に一度、オリンピック終了後にIJFは審判規程(ルール)を変更し、翌年1月から新ルールで大会を行うというのが柔道界の流れになっています。IJFによるルール変更は、基本的には、柔道を、よりわかりやすく、よりおもしろくすることを目的としています。今回も、パリオリンピック終了後の昨年10月からルール変更の検討がなされ、12月にアナウンスされました。今年2月初旬のグランドスラム・パリからすでに施行されている『新ルール』(変更点)について解説します。なお、『全柔連TV』では、動画にて解説をしておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。14まいんど vol.4390度を超えて倒れた場合も「技あり」がよよりりわわかかりりややすすくく!!よよりりおおももししろろくく!!

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る