世界ジュニア選手権大会およびジュニア強化3年間の総括【女子】ち、世界における柔道の価値をさらに高めていってくれることを期待しています。 (前男子ジュニアヘッドコーチ各務耕司)2024世界ジュニア選手権大会では7階級に選手9名を派遣し、金メダル2個、銀メダル2個、銅メダル3個という結果でした。52㎏級の大井彩蓮は世界カデ選手権大会に続き、同年での大会制覇となり、偉業を成し遂げました。57㎏級の本田里來も圧巻の柔道で優勝を果たしました。昨年の2位から、その課題を克服した内容と言えます。また、初の国際大会ながらメダルを獲得した48㎏級の吉野紗千代、63㎏級の森近颯の健闘は素晴らしかったです。大井と同様に、カデ年齢での出場となった52㎏級の納庄千寿、78㎏超級の山口千弘も将来、有望です。今大会では惜しくも入賞を逃しましたが、級の大多和心、いずれもロスオリンピックに向けてシニアでの活躍も期待できる選手です。選手たちには今大会の結果よりも今後、国際舞台で戦っていくため、意識を変えていくきっかけになることを期待しています。就任期間を振り返り、コロナ禍の世界ジュニアには不参加、2年間ジュニア強化選手は海外遠征に行けていない状況からのスタートでした。当時、派遣再開にあたってはさまざまな方々からお力添えをいただき、選手や関係者への説明会、徹底した体調管理また検査や隔離など、これまで経験もしなかった体制が求められました。その後、徐々に日常を取り戻し、通常の国際派遣が可能となっていきましたが、このブランクは大きかったと言えます。欧州ではいち早くコロナ対策の緩和が進み、国際大会やトレーニングキャンプを実施していくなか、日本では国内での制限も厳しく、強化は後手に回ったと感じています。この他にも、混合団体が導入されたことにより、女子のジュニア強化がより一層進みました。強豪国はジュニア期から女子にも力を注ぎ、強化しています。先日、ペルーのリマで開催された世界カデ選手権大会においても、それぞれの国が独自の強化方法で成長していることを再認識しました。日本ではジュニア期から練習量を確保し、豊富な経験を積むことで、選手の強化を進めてきました。その方法はすでにどの国も実践しています。日本女子柔道の強みであった寝技も、外国人選手はしっかりと対応するようになってきています。今後、パリオリンピックはもちろん、世界ジュニア、世界カデの結果も踏まえ、日本女子柔道は新たな強化方法が必要になってくるのだと思います。就任期間中はコーチやスタッフ、関係者のみなさまに助けられ、任務を終えることができました。至らぬ点は多々あったかと存じますが、この場をお借りして、心より感謝と御礼を申し上げます。ありがとうございました。(文中敬称略)(前女子ジュニアヘッドコーチ野瀬英豪)委員会 Information▲世界ジュニア女子代表選手たちを指導する野瀬ヘッドコーチ57㎏級の白金未桜、70㎏級の前田凛、78㎏
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