まいんど vol.42 全日本柔道連盟
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ジュニア強化3年間の総括【男子】~失われた3年間からの軌跡~強化委員会tsAppアプリを活用して100名以上が参【東京オリンピックのプレッシャー】東京2020オリンピックでは日本柔道チームが輝かしい成果を収めました。しかし、実はその成功が大きなプレッシャーとして、次の世代、体制にのしかかりました。さらに、世界を襲ったコロナ禍から、どのように活動を再開していくのか、予算の大幅な削減等、従来どおりの強化活動ができない状況にありながらも、なんとかして新たな道を切り開く必要がありました。【具体的な取り組み】まず、私たちは限られたリソースの中で、どのように質を高められるかを徹底的に考えました。国際的な経験を重視し、世界中のコーチたちと連携を図るために、Wha 加するトークグループを作成しました。このグループを通じて、各国のコーチにどの大会に出場するかを確認し、最もレベルの高い国際大会や合宿に日本選手が参加できるよう調整を行いました。さらに、渡航する国のコーチと直接連絡を取り、滞在期間を延ばして合宿や国際交流を行うことも調整しました。また、コロナ禍で選手と直接集まる機会が限られていたため、年に数回オンライン講習会を実施し、選手たちに必要な教育、トレーニング、栄養指導を提供しました。外国人選手対策についても、これまで漠然と行っていたものを体系化し、チーム全体で共通認識を持つことを目指しました。この取り組みが、コロナ禍においてもチームの一体感と強化の成果を維持するカギとなりました。【集大成】2024年はその集大成の年でした。リマで開催された世界カデ選手権大会、そしてドゥシャンベで行われた世界ジュニア選手権大会では、いずれも団体戦決勝でフランスを破り、選手は見事優勝を果たしてくれました。特に、国際経験が限られている中で、選手たちは創意工夫し、持てる力を最大限に発揮してくれました。タジキスタンでの世界ジュニア大会では、食文化の違いから体調を崩した選手もいましたが、それでも最善の準備を行い、最後まで戦い抜いたその姿には感動を覚えました。このような厳しい状況下での対応力と逞しさを目の当たりにし、これまでの取り組みが間違っていなかったことを確信しました。【ジュニア・カデ選手へのメッセージ】最後に、全日本は結果を求められる集団であると同時に、日本代表選手としての自覚を強く意識しています。代表選手は柔道選手としての技術だけでなく、その人間性が問われる存在です。それはショーウィンドウに並んでいる商品のように、日本の柔道の価値を世界に示す存在であるべきだと思います。今後も代表選手たちが自覚を持▲今年の世界ジュニア選手権大会に出場した選手たちとコーチ陣     

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