まいんど vol.42 全日本柔道連盟
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新しい選手の育成と監督は誰が行うのでしょうか? が活躍するでしょうか? に向けて完全移行中のフランス柔道。今後4年間は、どの選手ロサンゼルス女子チームの監督を求めているバティスト・ルロワ監督の突然の退任ステファン・ノミス会長が率いている選挙関係チームは、ノミス会長のフランス柔道連盟会長2期目の就任を望んでいますが、とりわけ成功を収めたオリンピックから3か月が経ち、フランスにとっては確信よりも疑問のほうが多くなりました。まずはコーチング面から。フランス女子チームの監督を長年務めたクリストフ・マシーナ氏は、フランス女子チームが7つの階級で5つのメダルを獲得したパリオリンピック終了から、わずか3週間でその職を終えると発表しました。この結果が達成できたのは、残念ですが、準決勝4試合で負けたことによる3位決定戦での勝利、見せかけの結果となりました。クリストフ・マシーナ氏にとって歴史的な結果を出せなかったことは心残りだと思いますが、別の観点でいうと団体戦で優勝すること以上に良い終わりはないかもしれません。「私には今、十分な休暇が必要です。これだけの仕事と決意と努力をしましたが、それが必要なのです。これで私のキャリアに終止符を打ちます。選手と結果のおかげで輪が完成し、次に進むことができてうれしいです」。理解できるサイクルの終わりであり、良く考えたうえでの決断かもしれませんが、かなりの空白を残します。ここ数か月離脱していた若い母親のリュシ・デコス、元監督のラルビ・ベンブダウ氏はまだ連盟に在籍していて、選手育成を行っています。シドニーオリンピックチャンピオン(63㎏級)のセブリーヌ・バンデネンドも残っており、このコースに留まると予想されていますが、2012年オリンピックメダリストのオトーヌ・パヴィア(52㎏級)に追い抜かれる可能性があると言われており、彼女が言っていることは内部では歓迎されています。1人か複数の候補者が計画から出てこない限りは。南フランスで新たなナショナルセンターの設立が発表され、INSEP内での集中化を緩和し、クラブの自主性を高めた新しい形の選手育成を含め、あらゆることが可能になります。この「空しさ」は男子にもあります。私たちが知っている結果でオリンピック期間中に男子団体を揺るがすよう呼び掛けられたバティスト・ルロワ氏は、指導者たちの信頼が十分に回復していないように感じていると側近に語りました。彼の契約は8月末に終了となり、不確実な状況のなか、この人格者は9月中旬にパリ・サンジェルマン柔道と契約し、その日の朝に知らされたステファン・ノミス会長を含むみなを驚かせました。ノミス会長にとっては失敗でした。周知のとおり、ルロワ氏は長年ノミス会長から信頼を寄せられており、代表チームに加わるずっと前から顧問を務めていました。その見返りとして、2024年のパリ大会に向けてフランス代表チームを再建し、再結集させる全権を与えられたのでした。9月からボルドー近郊の高校に戻っているギヨーム・フォートのような指導者を選んだのは彼の選択でした。この世代の選手に近いステファン・フレモンのようなキーマンの復帰も彼の選択でした。内部で異論があったとはいえ、ギ・デルヴィントのような指導者を選んだのも彼の選択でした。クラッシュ! 初からやり直さなければならないのです。すでに代表監督に就任しているダニエル・フェルナンデス氏になるでしょうか? クラリス・アグベニューに献身的なルドヴィック・デラコット氏から、誰が男子チームに移るでしょうか。彼が女子チームを引き継ぐのでなければ……。クラブには、明らかに質の高い候補者が何人かいますが、しかし、ここフランスでは、現在強化担当の副専務理事のバスティアン・ピュジェ氏とフレデリック・ジョシネ氏との間には軋轢が感じられています。彼女はオリンピック銀メダリストであり、優秀であり、4年間強化担当の副会長を務め、バティスト・ルロワ氏と近しかったです。彼女は再任されたら継続できますが、彼女の強化プロジェクトを実行できるという確信がなければ引き受けないでしょう。今後4年間、この2人のビジョンは、だからまた最 フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)52㎏級で銅メダル獲得のブシャールを迎えるマシーナ女子監督 ©Paco Lozano / L’Esprit du Judo男女混合団体戦で金メダルに輝いたフランスチーム。コーチングスタッフも一緒に記念撮影 ©Paco Lozano / L’Esprit du Judo26まいんど vol.42Text/Olivier Remy / Spirit of Judo Magazineパリ2024が終わり、フランス柔道のこれから

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