山田 金野 山田 金野 山田 金野 金野 山田 強化選手は、柔道を守るため、普及振興のためのアンバサダー()も周囲への感謝やいろんな人を労うような言葉を話しているのを見て、すごく感慨深かったですし、さすがだなと思いました。これは全日本だけじゃなくて、大学や実業団、警察、どこもそうだと思います。――山田先生は強化での経験は長い訳ですが、今回委員長になっていかがですか?したが、委員長との違い、大変さというのを、まだ委員長になってわずかなのですが、いまヒシヒシと感じております。――逆に金野先生、肩の荷がおりた感が表情に出ていますけど笑。員として委員会に出ると違う角度で見られるんですよ。例えば資料がきて、その資料を見ると、「監督はこういうことを考えているんだろうな」とか「これどういうこと? よくわかんないんだけど」ということが出てくる。そうすると、いろいろ聞きたくなるし、それを聞いて議論するのは改めて新鮮に感じました。みんなで議論し、理解を深めながらやっていくというのはいい形だと思います。議論なく平坦に物事が決まるのは本当によくないと思っています。議論が白熱したりすると、「紛糾した」とメディアに書かれたりしますけど、誰も意見を言わないのであれば委員会をやる意味はないし、理事会でも委員会でもみんなで議論して初めて意味のあるものになると思います。いまの強化委員会にはなかなかの論客が揃っていて、多角的にものを考え、しっかり言語化できる委員が多くなってきています。山田委員長を中心に、しっかりと納得いくまで議論する、そんな強化委員会にしていきたいですよね。それが選手のためにもなると思います。会議では全委員に、副委員長は5年間させていただきま強化委員長としてではなく、強化委常に意見を出してほしいです。長の進行次第で、その会議が良くも悪くもなるというのをすごく感じているので、今すごく勉強しています。がお上手で、笑いをとりながらも決して脱線しすぎない。がらユーモアもある。それでいて、時間内にしっかりと収める。細川先生の仕切りというのは、本当にすばらしいですよね。――客観的に見て、大学の監督が全日本のコーチに入っているチームは、少し元気がなくなっている気がします。おそらく、そこに監督・コーチもものすごく苦悩があると思うのですがいかがですか?本当に迷惑をかけてしまったという思いはあります。強化委員長でなければ、例えば所属の選手が大会で優勝した時にもっと素直に喜べたと思いますし、選手たちともっと向き合えたと思いますし、OBにも声をかけてあげたかったですね。でも、立場的に難しかった。強化委員長だからフェアでなくてはならないという気持ちとの葛藤があり、そこは本当につらいところでした。確かにそう思います。それと、委員細川伸二先生とか本当に会議の進行すくうべき内容はガッチリすくいなそうですね。私自身、学生たちにはそれもあって、いま、もう一度大学のほうをしっかりやりたいという思いがあります。やっぱり何だかんだ言っても時間なんですよね、人を育成するのって。一緒に時間を過ごして、じっくり見てあげる。あと何年やれるかわかりませんが、いまの現場、大学の現場はメチャクチャおもしろいし楽しいし本当に幸せで、残り少ない時間になるかもしれないですけど、しっかりと育成したいなと思っています。――金野先生から山田委員長に伝えたいこと、アドバイスなどがあれば。山田委員長はよくわかっていらっしゃるので改めて言うことはありませんが、あえて言うのなら、健康に気をつけてほしいということです。悩んで眠れない時もあると思いますが、健康を害してしまうといい仕事ができませんから。山田先生は気遣いの人なので、気を遣いすぎて精神的にしんどくなる時もあるでしょうけど、体には本当に気をつけてほしいと思います。――最後に、改めて山田委員長に代表チームの方針をお聞きしたいと思います。そうですね。金野先生もおっしゃられたように、まずは結果。それから柔道の魅力、人としてのすばらしさを追求すること。そこは同じなんですけれども、もう一つ私が思うところは、いま柔道人口が減っているなかで、世間に対し一番影響力があるのは成績を残している選手やメディアに出ている選手だと思います。そういった選手たちには、自分たちが柔道のアンバサダーであるという自覚を持って行動してほしいと思っています。先ほどの人間性というところにもつながりますが、親御さんたちが子どもに柔道をやらせたいと思ってもらえるような、そんな好かれる選手になってほしい。これから強化選手と話をする機会も増えると思うので、選手たちには、自分たちの柔道を守るためにも、そういったことをしっかりと伝えていきたい。それが柔道のさらなる普及発展につながっていくと思っています。強化委員会■委員長■副委員長【男子】鈴木桂治■監 督百瀬 優、小野卓志、秋本啓之、海老沼匡■シニアコーチ■総務コーチ山田祐太■ジュニアヘッドコーチ 近野貞治■ジュニアコーチ【女子】塚田真希■監 督早川憲幸、武藤力也、宇髙菜絵、根本 希、髙市賢悟■シニアコーチ■総務コーチ岩永憲門■ジュニアヘッドコーチ 大森淳司■ジュニアコーチ山田利彦増地克之、中村淳子、廣川充志廣川彰信、熊代佑輔、川上智弘、黒瀬 遼薪谷 翠、米富和郎、青木和仁、髙市未来10まいんど vol.42山田利彦1970年4月16日生(54歳)、岡山県出身。2016年リオデジャネイロオリンピック後から東京オリンピックまで強化副委員長。東京オリンピックでは組織委員会に入り、日本選手団副団長・スポーツマネージャーを務める。2024年10月より全柔連強化委員長に。SBC湘南医療大学教授。SBC湘南美容クリニック柔道部総監督金野 潤1967年3月20日生(57歳)、東京都出身。2016年リオデジャネイロオリンピック後、山下泰裕委員長(全柔連副会長兼任)からバトンタッチされ全柔連強化委員長に就任。パリオリンピックまでの8年間強化委員長を務めた。日本大学教授。柔道部監督
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