まいんど vol.41 全日本柔道連盟
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英国柔道遠征の合同開催などさまざまな交流も学校行事ですので、競技に出場しない生徒は各競技の応援・観戦を行います。今年度は70周年の節目を記念して、両校生徒に記念タオルの配付と、閉会式時に両校代表選手による70周年記念の特別種目、綱引き競技が行われ、大いに盛り上がりました。柔道競技は、例年中学の部、高校の部ともに10人戦で行われます。競技ルールは、現行の国際柔道連盟試合審判規程に則って行われます。部員が少ない年は人数調整が行われますが、基本は10対10の対戦となります。昨年までの戦績は、中学の部が甲南22勝、灘46勝、1引き分け、高校の部が甲南42勝、灘25勝、2引き分け。今年度の結果は、中学の部は灘の勝利、高校の部は甲南の勝利となりました。普段は大人しい灘校の生徒も、定期戦では人が変わったように猛々しく、闘志あふれる姿を見せます。特に高校3年生は、野球部を除きほとんどの部活がこの定期戦を持って引退となり、受験モードへと突入していきますので、中高6年間の並々ならぬ想いをこの定期戦にぶつけていきます。応援の生徒も、普段聞いたこともない大声で精一杯選手を応援します。柔道競技も激しい試合を繰り広げますが、終了後は互いの健闘を称え合い、両校で写真撮影を行い談笑するなど、和やかなムードに戻ります。このように両校の生徒にとっては非常に思い出深い行事となりますので、それぞれのOB会が開催された時には必ずと言ってよいほど定期戦の話になり、各世代の戦績やエピソードに花を咲かせます。現在、両校柔道部は、定期戦のみならず、合同練習や夏合宿の合同開催など、スケジュールを調整してさまざまな交流を重ねています。今春3月には、灘校柔道部3回目の実施となる英国柔道遠征を、甲南校柔道部と合同で開催しました。英国ハロー校の柔道部の生徒、オックスフォード大学の柔道部の生徒、ロンドン武道会に所属する柔道家など、柔道を通じて異文化圏の人々との交流を経験して、両校柔道部の絆はさらに深まったように感じます。柔道部のみならず、他競技においても両校の親交は年々深まっています。嘉納先生、平生先生、お二人の教育とスポーツに対する思いを胸に、来年71年目を迎える定期戦は、伝統を継承しつつ、今後ますますの発展を遂げていけるよう、両校の生徒と教員が一体となって進んでまいりたいと思います。 灘中学校高等学校×甲南中学校高等学校

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