岩手県柔道連盟「柔道」における「形」とは、技の理合を理解・体得させるため、攻撃防御についてあらかじめ順序と方法を決めて二人一組で稽古する柔道の練習方法の一つです。岩手県柔道連盟では、会員に対し年3回の形講習会を実施しており、各種の形の習得に取り組んでいるところです。また、この講習会への参加は、昇段の際の一つの判断基準にもなっており、向学心を持ち鍛錬を続けてほしいとの思いから開催しているものです。「形」は、奥が深く難しいというイメージを持つ方もいると思いますが、少年期から取り組むことで、体のさばき方や崩しの方向など、技の特性や効果などを理解することができ、巧緻性の向上に有効な手段であると考えます。とはいえ、なかなか「形」を稽古に取り入れているところは少ないのではないでしょうか。細工藤弘巳少年大会へ「形」の導入新規全柔連登録者優良校表彰嘉納治五郎師範の説く講義、問答の大切さは誰もが認識していますが、乱取…試合中心の現状があります。また、「形」の普及もなかなか進んでいない状況が見られます。その一方で、自然に「形」に取り組むような環境を整えている地区もあります。今号では、岩手県柔道連盟が行っている少年大会での形振興の取り組みを紹介します。そのような状況から、少しでも「形」に目を向けてもらうため、岩手県柔道連盟では平成4年度(平成5年2月)の岩手県スポーツ少年団柔道大会(団体戦及び6年生個人戦)に「形」演武の部を設け、団体戦に出場するチームは必ず1組出場させなければならないこととしました。当初は若干の混乱もあったものの、令和6年2月で32回目を迎え、定着してきたところです。演武は「投の形」の腰技(3本、左右)だけですが、日頃の稽古とは少し異なる「形」の習得をめざし、服装、礼法、歩き方など、普段あまり気にしていないところに気を配りながら稽古に励んでおり、基本を見直す良い機会にもなっていると感じます。また、子どもたちだけではなく、指導者も教えるためには自ら学ばなければならないため「形」への関心を持ち続けるための一助にもなっていると感じます。試合での勝敗だけにこだわらず、相手と息を合わせいい演技をすることも、正しい柔道の基礎をつくる一助になると感じており、これからも継続していきたいと考えています。今年度も都道府県柔道連盟(協会)にお願いして、中学校・高等学校で新たに柔道を始めた生徒数の調査を行いました。毎年、柔道を新たに始めた生徒が20名を超える学校が各県から報告されています。各都道府県の集計結果の報告は10月25日が締め切りです。よろしくお願いします。 ▲岩手県柔道連盟スポーツ少年団柔道大会での「形」演武の様子〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜普及普及のの広場広場
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