まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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開幕まで残り2か月!パリ・オリンピック4まいんど vol.40SUZUKI Keiji 「今年3月くらいから審判の判断の傾向が大きく変わってきていて、偽装攻撃に対する『指導』もより明確になってきているように思います。そう考えると、技数もそうですが、効果的な技をしっかりと見える形で仕掛けていくことが必要になってきます。投げにいく姿勢がより重要になってきていると感じています。 そういう意味では、中途半端な攻撃、中途半端なディフェンスはしなくていいと思っています。勝つために試合場に上がり、勝つために相手の攻撃を受け、勝つために自分の攻撃をしてほしい。ディフェンスはディフェンス、受けてその後に何かしようと思う選手ももちろんいますし、そういう形でポイントを取る選手もいますけれども、現状の審判を考えると、中途半端なことはすべてマイナスになる傾向にあると思います。ですので、受ける時はしっかりと最後までディフェンスをする。7割受けて3割で何かしてやろうということは考えなくていいと、伝えている選手には伝えています。もちろんそうではない選手もいますので全員に共通ということではありませんけれども、審判の傾向に関しては共通の認識として、こういうところは気をつけようという話をしています。 全階級に言えることは、やはり細かいことが、これから重要になってくるということです。自分の苦手なことや、自分がされて嫌なことに対する対策を練るための研究時間が多くなると思います。マイナスを削っていくということが私のやり方の一つです。いいところを伸ばすというのはすごく大切なことですけれども、自分のマイナスを少なくしていけば、負ける確率が減る。そうすれば自ずと勝つ確率が上がることは間違いないことだと思います。自分が負ける時はどういう時なのか、いろんな状況を想定して対応、対策を行う時期に入ってくると思います。非常に繊細ですし、頭も使いますし、嫌なことでもありますし、面倒くさいことでもありますけれども、妥協せず、怠らずにオリンピックまで過ごしていきたいと思います」 (取材/5月3日)7月27日(土)から8月3日(土)まで(8月3日は男女混合団体戦)、フランスのパリで開催されるオリンピック柔道競技。大会まで3か月を切り、徐々に緊張感が高まってきている日本代表監督、代表内定選手たちに、強化合宿や国際大会の合間に、現状や、オリンピックへの思い、意気込みなどを聞きました。男子監 督直前特集PARIS 2024日本代表に聞く鈴木 桂治

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