まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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栄養&レシピ編①エネルギー補給量の不足。 体重をはかりましょう。  AQ体のつり・けいれんが起こる原因について体のつり・けいれんについて毎年、暑い季節になると、選手から体のつりに関する相談を受けます。選手は「水分補給量を増やす」ことを意識されますが、体のつり・けいれんは、水分補給だけでなく、食事量の減少など、他の原因も考えられます。以下、3つの内容について見直してみましょう。暑い季節になると、暑さで食欲が出にくくなります。このため、食事量を減らしやすくなります。食事量が減り、エネルギー不足になると、体に疲れが残りやすくなります。疲れが残ると、さらに食欲が落ち、食事をとりづらくなり、ますます体に疲れがたまります。結果、稽古中に体が動かなくなったり、手足がつったりします。食事量が減っていないかを確認する方法として、「最近、食欲がない」と、自身の感覚も大事ですが、客観的に評価できる方法で確認してほしいです。例えば、食事・補食を携帯カメラなどで撮影しておいて、過去の内容と見比べて量が減っていないかを確認する。毎朝、または、稽古前に体重をはかり、体重が減っていないか確認する。選手のみなさんは、減量期以外では、体力・競技力を上げるために稽古を行われています。体力・競技力強化を目的にしているなら、体重は維持、増加するはずです。体重が減っている時は、食事・水分補給量の不足が考えられますので、食事・補食の量、内容を見直してください。ごはんの目安量は、前回の『まいんど39号』に明記しましたので、そちらを参考にしてください。暑い季節になると、稽古中に体のつりが起こります。スポーツドリンクを飲んでいても体のつりが起こります。改善方法はありますか?体のつり・けいれんは、水分補給量の不足だけでなく、エネルギー補給量の不足、カリウム、ナトリウムなどのミネラル不足などが考えられます。食事・水分補給量を見直し、補給量が減っていないかを確認しましょう。夏になると稽古中に体が「つる」ことに関する相談が増えます。以前に、このコーナーで「水分補給」の観点からお話をさせていただいたことがありましたが(まいんど36号)、体がつる原因は水分不足だけではありません。今回は、その原因について考え、改善する方法とそのレシピをご紹介します。44まいんど vol.403%を超える場合、水分補給量、回数を増やしましょう。この差が、練習前体重の2〜3%以内はOK。計算例)練習前体重100.5kg 練習後体重98.5kgの場合100.5-98.5=2.0 2.0÷100.5×100=約2% OK 練習前体重100.5kg 練習後体重96.5kgの場合 100.5-96.5=4.04.0÷100.5×100=約4% →水分補給量・回数を増やす※毎日稽古前の体重を測定し、減少している時は、1日の食事・補食量、水分補給量が足りていない可能性が考えられます。上村香久子PROFILEうえむら かくこ管理栄養士/調理師。全日本柔道連盟強化委員会科学研究部員、JOC強化スタッフ(情報・戦略、医・科学スタッフ)。12年ロンドン五輪では柔道女子、16年リオデジャネイロ五輪から柔道男女の栄養サポートを行う練習前体重(kg)-練習後体重(kg)=差(kg)練習前後に体重を測りましょう!

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