まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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▶︎開会式(選手宣誓) 2024年2月23日(金)、埼玉県立武道館において第5回埼玉県小学生女子柔道交流親善大会が開催され、24チーム、約160人の小学生女子が、女子だけの団体戦を楽しみました。試合だけでなく、さまざまなアイディアを詰め込んだ大会についてご報告をいたします。(川原久乃:埼玉県女子柔道振興委員会)この大会が産声を上げたのは令和元年。「小学生女子だけの団体戦って見たことないよね?」という女性委員の発言がきっかけでした。たしかに小学生のうちは男女混合の団体戦が行われ、チームは各所属道場ごと。選手に選ばれず、団体戦を一度も経験しないまま柔道をやめてしまう女の子も多いのが現状です。何とか団体戦の楽しさを味わってもらう機会を創れないか…女子委員がそれぞれアイディアを出し合い、実現に向けて行動を起こした結果、コロナ禍の2年間(2020年は中止、2021年は代替えオンライン大会)を経て、今回で5回目を迎えました。参加者も年々増えています。この大会は、午前の第1部を「団体交流試合」、午後の第2部を『交流会』と位置付けています。『交流会』は、試合以外でも楽しめる柔道の在り方を模索するプラグラムで構成されています。一番の目玉は、その日1日だけの〝即席チーム〟で戦う団体戦です。運営する埼玉県女子柔道振興委員会が、学年・身長・体重・経験年数等を踏まえて、申込者を6ブロック24チームに振り分けます。1チームは6~7人。ブロックごとに4チームによる総当たりリーグ戦を争い、各ブロックの1位チームが優勝決定戦に進みます。「監督」を務めるのは、県内大学(淑徳大学・平成国際大学)の女子柔道部員たち。小学生たちが所属チームの垣根を越えてチームワークを発揮できるよう、コーディネーターの役割を担います。さらに中学生や高校生は係員として関わり、ママさん柔道家たちは、審判や大会運営に携わる。こうした仕組みを通じて、年に一度、埼玉県内の女子柔道家と、小学生から大学生までの女子柔道選手が一堂に会し、それぞれの年代の女子選手たちが、人生を通じて柔道と関わっていく上でのロールモデルとなるような大会を目指しています。なお縦割りの団体戦でチームを編成するにあたっては、参加者の安全確保の面から『体重差』に注意しています。腹巻宏一様(和歌山柔道学習塾紀柔館)、藤谷達夫様(株式会社TGエンタープライズ)のご協力を得て、試合などにおける体重差の解消を目的として自動的に組み合わせを生成する、『育成型抽選システム(ADSJ)』を去年から導入。「減量のいらない柔道大会」としてチーム編成の自動化を実現しました。このシステムによって、業務負担の軽減と効率化が大いに進みました。第2部の『交流会』も充実した内容となりました。今回、日本スポーツ協会のアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)からヒントを得て作られた『JSPO-ACP@柔道場』を埼玉県で初めて実践しました。『JSPO-ACP@柔道場』とは、柔道場で行う運動遊びのこと。柔道の特性をいかした運動遊びを行うことで、柔道の楽しさや喜びを多くの子どもたちに伝えることができます。いくつかの具体的な運動遊びを体験することで、完全に会場内が一体化しました。アイスブレイクとしても、アフターマッチファンクションとしても効果が高い『JSPO-ACP@柔道場』を、指導者の先生方や保護者に向けてプレゼンテーションする最高の機会となりました。その他、女子が柔道を続け楽しんでいくうえで必要な情報についての講習会も行いました。去年から行っているのが「委員会クリニック」。生理等について、女子委員が中心となり、深く踏み込んだ内容を伝える場です。思春期に訪れる身体の変化について、委員会イメージキャラクターであ大会のあゆみ第1部〝即席チーム〟による団体交流試合アイディア満載!第2部JSPO-ACP@柔道場の紹介盛りだくさんの内容小学生女子による縦割団体試合埼玉県小学生女子柔道交流親善大会▼交流会の模様▲大盛況だった第5回大会。参加者・関係者全員集合▲大学生が監督としてチームを指揮▶『即席チーム』でさっそく作戦会議▲試合の様子36まいんど vol.40やわら通信★特別版やわら通信★特別版

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