まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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3・タレントの発見と育成の最適化4・ケガのリスク低減5・競技力の持続的な向上石井 そしてシニア期までスポーツや運動に継続的に参加し、健康で活動的な生活を送ることを奨励します。複数のステージを設定することで、各個人がスポーツに楽しみながら参加し、ライフステージに応じた目標を設定できるようになります。そのために、これを理解していただき、環境を整えることも重要になります。子どもたちの中には、特定の段階で顕著な才能を示すものもいます。この指針において、各ステージでの目標を明確にすることで、これらのタレントを効果的に識別し、適切な支援と環境を提供することが可能になります。これにより、エリートレベルへの成長を目指す人に対して、より個別化された育成計画を立てることができます。適切な発達段階に基づいたトレーニングは、過度な負荷や不適切なトレーニングによる怪我のリスクを減少させます。この指針では、安全で効果的なトレーニングプログラムを提供し、国民(子どもからシニアまで)が健康を維持しながら成長できるよう支援します。この指針は競技性を否定していません。アスリートが最高のパフォーマンスを達成し維持するためには、継続的な成長と適応が必要です。この指針のステージは、基礎からエリートへと段階的に進むことで、アスリートが競技力を持続的に向上させることを支援します。この指針によって、個々の発達段階に応じた適切な支援を受けられるようになり、長期的な成功と健康的な生活の両立が可能になります。ステージごとに具体的なガイドラインを提供することで、子どもたち、競技者、指導者、保護者は、より効果的な育成の戦略を立てることができるようになります。とうございました。今回の内容で、読者のみなさんの理解が深まることを期待します。最後にまとめて終わります。長期育成指針の理解を深めるためには、柔道人口減少の背景や革新的パスウェイなど、広範な視点で根拠のある情報に触れる必要があります。また、日本が抱える社会的な問題も把握しなければならないでしょう。現状は厳しいですが、最新の研究結果や成功事例を取り入れること、そして失敗から学ぶことで、より効果的な育成が可能になると思います。まずは、早期専門化と勝利至上主義の問題に対する意識改革が喫緊の課題として挙げられます。長期育成指針は、全柔連のグランドデザインです。この指針は、全柔連のみならず、講道館、スポーツ団体、教育機関、指導者、競技者、保護者、そしてファンなど、さまざまな関係者が一丸となって取り組むべき内容を示しています。協働していくことで、私たちは柔道の価値・魅力を再発見することが可能になります。この文章を通じて、柔道界の課題についての理解が深まり、それが将来に向けたポジティブなステップにつながることを心から願っています。お二人ともご協力いただきありが      連載特集 4

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