まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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12まいんど vol.40男 子女 子SAITO TatsuruSONE Akira――大会まで3か月を切りましたが、プレッシャーは感じることは?「不定期で来ますね。いまは稽古が充実しているのであまり感じないですが、ものすごく怖い時もあります。うまく言えないですけど、オリンピックを、単に一つの『大会』としてではなく、『オリンピック』として捉えている時に、プレッシャーを感じるというか、オリンピックに飲み込まれているような状態だと思うんです。やはりオリンピックって、本当にすごいことなので、そのすごさに飲み込まれているのかなと。実は全日本選手権でも同じようなことあったんですが、その時は、飲み込まれたら絶対に負けると思ったので、全日本選手権も他の大会と変わらない、単なる一つの大会だと捉えるようにしました。オリンピックも同じように、強いプレッシャーを感じているので、あまり『オリンピック』だと意識せず、他の大会と同様の、一つの大会と考えるようにしています。それでも、不安な気持ちが沸き上がってくる時は、真っ正面からぶつかるようにしています」――GSカザフスタン3位でした。この結果についてはどう捉えていますか?「3月のアジア選手権でのケガが完治していないなかで、無事に試合に出られるかという不安を持っていたので、無事に試合をできたことは良かったかなと。課題も明確になりましたし、目標も明確になりましたので、次に向けて頑張らなければという気持ちになっています」――オリンピック出場ポイントの面でも心配なくなったと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。「そうですね、とりあえず出場条件を確実にするというのが大会(GSカザフスタン)出場の主な目的だったので、そこは良かったと思います」――試合はぶっつけ本番に近い感じだったんですか?「そうですね。乱取ができるようになったのは出発する3~4日前でしたので、自分が思うような稽古を積んで試合に臨めたわけではありません。なので、自分の力を出し切れていないなというのはとても感じています」――ぶつかるというのは具体的には?「自分の場合は、不安な気持ちは稽古したらおさまるので、とにかく納得のいく稽古をします。最近はいい稽古ができているので、不安を感じることはないですし、これからもっと追い込むつもりです」――先日、リネール選手が日本に来ていましたが、稽古はしましたか?「やってないです。もうその段階ではないかなと思いますし。話もとくにしてないです。今は敵ですから」――ここからの時間の過ごし方がすごく大事になると思いますが。 「そうですね。やるべきことはたくさんありますけど、これをやっておけば絶対に勝てるというのがあって…」 ――それは具体的にどんなことですか? 「それは言えないです(笑)。でも、自分の中ではしっかり明確にあります」――それは自分を高めること? それとも相手選手に対する対策?「両方ですね。でもやることは変わりません。自分の良さを見直し、それを磨くことだと思っています」 (取材/5月3日)――今回、ライバルのディッコ選手(フランス)とも戦いましたが、感触は? 「自分の良いところをまったく出せなかったというのが一番ですが、オリンピックの前に一度試合ができたことは良かったと思っています」──明確になった課題というのは?「組み手の部分と無駄な『指導』をなくしていくことです。『場外指導』や前に潰される『指導』は、自分がちゃんと対処すれば防げるものなので、ますは『指導』を取られないようにしていくこと、組み手も自分が先にいいところを持っていけるようにしないといけないなと感じました」――オリンピックまでの残りの期間はどのように調整を?「コンディション的にも、現在は100%ではないので、オリンピックに合わせてしっかりと調整していきたいと思います。課題もたくさんありますが、『必ず金メダルを獲る』という気持ちはずっと変わらずにあるので、必ず達成できるように日々積み重ねていきたいと思っています」 (取材/5月14日)ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社2002年3月8日生(22歳)  大阪府出身上宮中学→国士舘高校→国士舘大学世界選手権:2022年2位パーク24株式会社2000年7月9日生(23歳) 福岡県出身田主丸中学→南筑高校世界選手権:2019年,23年優勝オリンピック:東京2020金メダル直前特集 PARIS 2024100㎏超級78㎏超級8/2(金)斉藤 立素根 輝

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