まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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10まいんど vol.40男 子90㎏級女 子70㎏級MURAO SanshiroNIIZOE Saki――大会まで3か月を切りましたが、どんな気持ちですか?「ようやくオリンピック前の試合が全部終わったので、ここからどんどんやっていこうという気持ちになっています」――どんなことを重点的に?「外国人対策が主になってくると思うのですが、いかに自分の強みである二本(釣り手と引き手)を早く持つかを一番に考えて、組み手のバリエーションやパターンを確認しつつ、そこを磨いていくのが一番大事だと思っています」――対戦相手で意識しているのは?「ジョージアのベカウリ選手、アゼルバイジャンのハジエフ選手。ともに右組みで長身なので、手の長さや身体の力強さを想定した練習をしたいのですが、近い選手は日本にいないので、自分のイメージを大事にしながら、試合の傾向を考えて練習しています」――GSアンタルヤは、ケガやコンディションが良くないなかで、どう戦うかをテーマにされていたと思いますが。「今までは最終的に投げて勝ったり、抑え――オリンピックまで3か月を切りましたが、気持ちの変化はありますか?「代表内定してから、緊張感が常にあるのですが、今はそれでもいいやと、緊張しているのがむしろ自分らしいかなと、ちょっと開き直りかけています。一時期は不安で夜もあまり眠れない日々が続いていましたし、変な夢ばかり見ていましたけど、その不安にも慣れてきました」――これまでも不安を抱えて大会に出ることはあったのですか?「不安を抱えて出ることしかないです(苦笑)。なのである意味、いつもどおりなんだと自分に言い聞かせています」――普段からマイナス思考というか、「ネガティブ」と自己分析していますが。「そうですね。なるべく言わないようにしていますが、ネガティブです。でも、最初からうまくいかないと思っているので、実際の試合で自分の攻撃がうまくいかなくても、想定の範囲内だから慌てないですし、逆に相手の攻撃を防げていたら、想像したよりもいい状況だなと思えたり。GS(延長)が多くなっても予想て勝てばいいと思っていたんですけど、ケガをしているとなかなかそれができないので、いかに試合を組み立て、どう展開していくかにフォーカスして試合をしていました。そこは、ケガをしていたからこそ成長できた部分かなと思っています」――オリンピックでは、どういう展開を考えていますか?「外国人選手とやる時は、できるだけ早く持ちたいという意識があるんですけど、早く持つという過程の中で、無理はできない状況の時は、いかに自分優位な組み手にするかということを大事にしたいと思っています。具体的には、動かすことであったり崩すことであったり、単純に投げにいくわけではなく、試合全体として捉えようと思っています」――オリンピックではどう戦いたい、どう勝ちたいというのはありますか?「勝ち方にこだわるほどの余裕はないので、とにかく結果を出す、優勝すること。まずは何がなんでも、金メダルを獲ることが大事だと思っています」 どおりだなと思えますし…」――それが良いのか悪いのかわかりませんけど…(笑)。責任というところでは、世界選手権代表とオリンピック代表では違いを感じますか?「そうですね、やはりオリンピックは周りの反応も違うので、プレッシャーはすごく感じますし、今回、70㎏級は3連覇がかかっているので、自分の中でもどうしても繋ぎたい、結果を残したいという思いは強いですし、なんとか頑張りたいとは思っています」――不安を取り除くために何か対策は?「漫画やアニメが好きで、スポーツ系のアニメとかにいつも勇気をもらっているので、好きなものを見て、ちょっと気持ちを上げたいなと思います」――アニメの中に出てくる言葉で、心に残っている言葉はありますか? 「『ハイキュー』(高校バレーボール漫画)に出てくる名言なんですけど、『限界を超えるんじゃなくて、限界値を上げていこう』という言葉があるんですね。この言葉が好きです」 (取材/5月3日)(取材/5月3日)ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社2000年8月28日生(23歳) アメリカ出身姫路灘中学→桐蔭学園高校→東海大学世界選手権:2023年3位自衛隊体育学校1996年7月4日生(27歳) 奈良県出身天理中学→天理高校→山梨学院大学世界選手権:2023年優勝,22年3位7/31(水)村尾 三四郎新添 左季

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