まいんど vol.40 全日本柔道連盟
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9まいんど vol.40男 子81㎏級女 子63㎏級NAGASE TakanoriTAKAICHI Miku――リオデジャネイロ・オリンピックと東京オリンピックと今回と、大会に臨む気持ちに何か違いはありますか?「リオは初のオリンピックで、若さや勢いで突き進んでいた大会で、東京はリオでのリベンジを一番に掲げている大会でした。今回は東京から3年という短い期間でしたが、これまでの経験を活かしつつ、連覇に挑む大会という感じですかね。それぞれの大会、違うものなので、今までの経験が活きる部分も、活きない部分もあると思っています」――東京オリンピックからの3年間、モチベーションにも波があったと思います。どのように向き合ってきたのでしょう。「波があったのは事実ですが、そういう時でもやるしかないので、自分自身と向き合い、いろいろと考えながら柔道していた時間が非常に長かったと思います」――年齢を重ね、どうしても身体の疲労、回復といった話が多くなると思うんですけど、反対に伸びたと思うことは?「技術的な部分というよりは、自分の考えの幅というか、いろいろと考えられる――調整は順調に進んでいますか?「ケガもなく、心身ともに健康に過ごせております。代表に決まってから、オリンピックまでに試合をいくつか入れて、あとは合宿を取り入れて、しっかりと強化していきたいと考えていたので、試合は3月に戦ったGSアンタルヤが最後となりまして、あとは国内と海外で合宿ができたらなと考えています」――GSアンタルヤは、惜しくも3位でした。「組み手の研究をかなりされていて、それに対して対応できなかったこともあり、それを気にしすぎて最後は集中力が切れてしまった。でも、オリンピック前にそういったところが見つかったのは大きな収穫だったと思っています。自分が想定していないことも起きるんだということを知って、すべてを想定内にできるような準備が必要だなと。あとは投げ技の部分でも、最近なかなか投げてのポイントが取れなかったので、それができたことも、私にとっては大きなプラスだったと思っています」ようになったとは思います。やはり昔は悪く言うと何も考えずに漠然と稽古していた部分があったんですけど、いろんな経験をしてきたからこそ、ここはこうしようとか今はこうだなとか、客観的に見られるようになったと感じています」――オリンピックまであと3か月ですが、もう3か月なのか、まだ3か月なのか、どんな感じですか。「これまでを振り返ってみると、あっという間だったなと。東京オリンピックを終えて3年しかない、通常よりも1年短い期間だったということもありますが、本当にあっという間でした」――残り3か月に関してどのような積み上げを?「まずは自分のコンディションづくり。身体のケア等も含め、そこはやはり一番大事になってくる部分だと思います。あとは、いろんな対策ですね。ここから急激に強くなることはないと思うので、戦術の部分で自分なりの戦い方を詰めていく作業が大切なのかなと思っています」 (取材/5月3日)――対策という部分でいうと、相手選手の分析や研究は細かくするほうですか?「あまりしないんですけど、最低限抑えるべきポイントはしっかりと抑えておきたいと思ってやっています」――残り約2か月半ですが、これからの調整としてはどんな感じでしょうか?「そうですね。分散合宿をいくつか入れているので、そこでいろんな選手と手合わせをして、あとは6月末にNTCでの合宿があるので、そこで最後にしっかりとできることをやって、あとは自分を信じて戦い抜きたいなと思っています」――改めて目標といいますか、どんな柔道をしたいか、お聞かせください。「私の良さというのは、組み手だったり、足技、寝技なので、そういったところをしっかり出していきたいと思いますし、自分の間合いを作って大きな技にも挑戦していきたいと思います。あとは、もちろん最後は金メダルに、強い気持ちを持って挑んでいきたいなと。最後はいい顔で終われたらと思っています」 (取材/5月14日)旭化成株式会社1993年10月14日生(30歳) 長崎県出身長崎大学教育学部付属中学→長崎日大高校→筑波大学世界選手権:2015年優勝,22年,23年3位オリンピック:2016年リオ大会銅メダル,東京2020金メダルコマツ1994年4月7日生(30歳) 東京都出身相原中学→淑徳高校世界選手権:2018年,19年2位,14年,15年3位オリンピック:2016年リオ大会5位,東京2020代表直前特集 PARIS 20247/30(火)永瀬 貴規髙市 未来

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