まいんど vol.39 全日本柔道連盟
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山口県は少子高齢化が進み、人口が増えるのと同時に、小中高校生の柔道人口も減ってきています。また、それと同時に、中学校や高等学校の指導者も減ってきており、顧問同士が協力し合い、生徒たちがより専門的に、より楽しく安全に柔道ができればと思い、前任校も含めて施してきました。平日の週に1~2回、中学校や地域クラブの指導者と連絡を取り合い、高校の練習へ中学生に参加してもらいます。指導者が来る場合もありますが、保護者引率や生徒たちだけの場合も多くあります。練習内容は基本的に高校生のメニューですが、中学生に教えるべき技術を伝えたり、時には高校生から中学生に指導したりしています。また、高体連柔道部顧問会議などのときには、すべての顧問に中学生の受け入れを積極的に行ってもらうよう呼びかけています。行うメリットとしては、中学生に指導することで高校生自身の理解度が深まること、縦のつながりを学べること、中学生が高校でも柔道を続けやすくなること、絞技や関節技などの不安心を減らせることなどです。もちろん、中学生側には保険代など経費や高校への送迎の負担増加、ケガをしたときの責任の所在など問題点はいくつもあります。しかし、各地域で夕方の中学生が最も動きやすい時間帯に活動ができるのは高校部活動であるといっても過言でないように感じます。今後、高体連柔道部全体が地域クラブと連携して受け入れを進め、中学生の活動場所を広げられたらと考えています。(山口県高体連柔道専門部委員長/山口県立防府商工高等学校柔道部顧問 田中光)佐賀県教育委員会では、少子化による学校の小規模化、生徒の部活動に対するニーズが多様化している等の課題を受け、令和3年度から佐賀県らしい部活動改革の在り方を『SAGA部活』として取り組んでいます。そのコンセプトは「子どもたちがスポーツや文化芸術に触れられる機会を確保する」、「子どもたちや指導者、それぞれの想いを形にした部活動改革を推進する」というものです。 『SAGA部活』では、学校と地域が強く連携することを基本としながら、これまでの学校部活動のスタイルを継続する「従来型」から地域クラブ等へ移行する「移行型」まで、11のモデルパターンを示し、学校や地域の実情に応じて取り組むことができるようにしています。さらに今年度から、取り組みを具体化するため関係機関と連携した『チームSAGA部活』を立ち上げ、指導者の確保等、さまざまな課題に対して対応していく方法を検討しています。佐賀県教育委員会はこれからも、子どもファーストの『SAGA部活』を推進していきます。(佐賀県教育委員会事務局保健体育課指導主事 兼武巖)4山口県高体連〈山口県〉5佐賀県教育委員会〈佐賀県〉    6▶令和3年から取り組み始めた『SAGA部活』(提案書表紙)▶各学校の状況に合わせて11のモデルパターンで取り組んでいる『SAGA部活』▲柔道人口とともに、中学・高校の指導者も減少。中学、地域クラブとの連携が重要に▲高校の部活に中学生を受け入れてもらうことで、中学生の活動場所を広げるまいんど vol.3910年以上中学生の受け入れを実部活動の地域移行を考える高校部活動へ地域クラブ(中学生)の受け入れ県が主導し学校と地域が連携する「SAGA部活」

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