まいんど vol.39 全日本柔道連盟
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中学生を対象とした絞技に関するアンケート調査報告2023年世界形選手権大会アブダビ大会結果報告医科学委員会形部会2022年度より全柔連は中学生の試合で絞技の使用を禁じました。一方で、絞技を練習することは禁じられていません。この様な状況下で、現在の中学生は絞技にどう取り組み、どんな意見を持っているかを調査しました。対象は、2023年度全国中学校柔道大会への出場選手としました。なお、調査時の3年生は中学校入学時には試合での絞技の使用が許可されており、1・2年生は入学時から試合での絞技の使用が禁止されています。大会出場選手1152名を対象に、事前にアンケートを配布し大会期間中に都道府県単位で回収しました。回答は任意とし、無記名で個人が特定されないよう配慮しました。410名(1年生34名、2年生108名、3年生268名)から回答を得ました。ここでは、結果の一部を報告します。絞技を教わったと回答したのは3年生で90%、2年生で40%、1年生で30%程度でした。一方、1・2年生のそれぞれ10%が「参った」の方法を知らないと回答していました。「絞め落ちを経験」と、「相手を絞め落とした経験」について、1年生はそれぞれ0%、2年生は7%と6%、3年生は25%中、半数以上が絞め落ち後も休まず練習を続けていたことが判りました。また、初めての絞め落ちは1年生のときであり、相手は上級生が半数以上を占めていました。絞技が怖い、苦しいという印象を持つ選手の比率が1年生に多くみられ、試合での使用が禁止になってよかったと考える選手が1・2年生で78%、3年生で68%を占めました。一方で、絞技を「中学から使いたい」・「高校から使いたい」と回答した選手は、それぞれ1年生24%と43%、2年生16%と51%、3年生26%と44%で、「高校でも使いたくない」との回答は各学年とも30%でした。絞技を教わった経験の有無が、絞技への印象を変える可能性があることも明らかとなりました(図1)。絞技をきちんと教わった選手では、やりたくない、怖いなどの意見は少なく、やりたい、勝負に必要、得意技にしたいなどの意見が多いことが判ります。さらに、絞技が禁止になったことをどう思うか、いつから絞技を使いたいかとの問いにも、教わった選手に絞技への取り組みに積極的な意見が多いことが判ります(図2)。今回の調査結果から、絞技の指導が重要          と考えました。まず、「参った」の方法を確実に習得させ、「参った」をしたら、まと18%でした。絞め落ちの経験がある74名たは落ちたと思ったらすぐに絞めを解除することをきちんと指導する必要があります。また、絞め落ちが起きた場合、無理に体勢を変えずに名前を呼んで覚醒させること、絞め落ち直後はふらつきなどが残ることがあり症状がまったくないことを確認できるまで練習を休ませること、などを指導していただきたいと思います。最後に、アンケート調査にご協力いただいた関係者のみなさまにお礼申し上げます。(井汲彰、三上靖夫)2023年10月28日(土)、29日(日)の2日間、アラブ首長国連邦・アブダビにて、国際柔道連盟主催世界形選手権大会が開催されました。日本からは本年度の全日本形競技大会で優勝した組の中から3組を代表組として選出し、次のとおり選手団を派遣いたしました。■監 督 ■投の形 ■固の形 道場良久(講道館)赤坂洋輔(警視庁)・若菜大介(警視庁) 下野龍司(京都文教高校教員)・大館斗志爾(大宅中学校教員)委員会 Information▶図1 絞技に対して持ってる印象▶図2 絞技が中学で禁止になった感想といつから絞技を使いたいか委員会委員会の活動状況や、お知らせがありますので、全柔連各種委員会から情報をお届けするページです。お役立てください。~委員会と柔道家をつなぐ伝言板~Information

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