まいんど vol.39 全日本柔道連盟
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(原稿執筆はGSパリ前)残る4枚のチケットの行方は?日本の100㎏級 オリンピックレースは激しさを増しており、それはパリ開催のグランドスラム中に始まりました。フランスでオリンピックに出場するのは誰? ランスの柔道が注目しているのはどの国でしょう?パリ・オリンピック出場の最後の4枚のチケットは誰の手に入るでしょう? 1月初めの時点で、私たちはオリンピックの金メダルをかけて7月末からパリで戦う14人のトリコロール旗のフランス選手のうち10人を知っていました。でも、グランドスラム・パリ(以下、GSパリ)前夜になっても、女子78㎏級、男子73㎏級、90㎏級、そして100㎏級の4階級はまだ決定していません。フランスのオリンピック選考委員会は、GSバクー(2月17~18日)後に新たな名前が発表される可能性があると説明しており、アコー・アリーナ(GSパリの会場)でのメダルにより、この息詰まるオリンピックレースを決定づける可能性も十分にあります。オ(2023年世界選手権銀メダリスそして、フト)、マドレーヌ・マロンガ(2023年ワールドマスターズ銀メダリスト)、ファニー=エステル・ポスビト(2023年GSアブダビ銀メダルリスト)の間で行われることは確実です。90㎏級でも3人が台頭しており、アレクシ・マチュー、マキシム=ガエル・ガヤップ・ハンブー、アクセル・クレルジュが有力な候補者です。100㎏級では、9月末のGSバクーで3位に入ったオーレリアン・ディエスが有利なスタートを切ったようです。しかし、選ばれた他の3人、アレクサンドル・イディア、セドリック・オリバール、マルク-フランソワ・ガヤップの母国での素晴らしいパフォーマンスはもちろん考慮されるでしょう。最後に、73㎏級では数名の候補者が名を連ねており、依然としてどうなるかわかりません。今回のGSパリ? 行うオリンピック前の選手選考として、納得できる大会となるのではないでしょうか。フランスも注目するフランスは日本の100㎏級に注目しています。東京オリンピックと同様、全日本柔道連盟は非常に早い段階でオリンピック代表を選出することを選択しました。そして、パリ・オリンピック代表の日本人柔道選手14名のうち13名はすでに判明しています。残るは100㎏級だけですが、ウルフ・アロンと新井道大の間で争われ、GSパリで終止符が打たれる可能性があります。現オリンピックチャンピオンで27歳のウルフと、まだ19歳で、昨年10月にジュニア世界チャンピオンに輝き、12月のGS東京では、シニアの世界チャンピオン、アルマン・アダミアンを破って準優勝した新井との世代間の対立。新井がアルマン・アダミアンに勝ったことはフランスでは大変な衝撃でした。全日本柔道連盟は、パリにいる2人の柔道選手の間で決定することに決めました。選考のルールは日本ナショナルチーム責任者によって正式に発表され、GSパリで最高のパフォーマンスを達成した選手がオリンピックの代表選手となります。最高峰の階級である100㎏級は、フランスには2010年のティエリー・ファまあ、母国フランスでーブル以来、世界選手権のメダリストはおらず、2016年のシリル・マレ以来オリンピックメダルも獲得しておらず、それ以前となるとメダル獲得は2000年のステファン・トレノーにまで遡ります。そしてカナダの57㎏級、世界トップの選手であるクリスタ・デグチとジェシカ・クリムカイトの試合は非常に注目されています。この2人の若い女性は、この夏のパリ・オリンピックでカナダ代表になるために、ポイントを獲得する必要があります。前者は世界チャンピオンのタイトルと2023年のGS東京での勝利で幸先の良いスタートを切りましたが、東京オリンピック銅メダリストのクリムカイトは諦めていません。世界選手権銅メダリストであり、昨年末のGS東京で3位となり、昨夏のワールドマスターズで優勝した背負投のスペシャリストは、今回のGSパリで勝利すれば、選考レースでデグチと並ぶ可能性があることを知っており、優勝したなら世界ランキングトップのデグチの前に出るでしょう。2人のカナダ人による決勝戦の可能性もあり、何も言えないほど楽しみです。今後6か月間はワールドツアーが開催され、6つのグランドスラムと3つのグランプリ、世界選手権と大陸選手権が行われ、目まぐるしいものになります。この期間が始まると、すごい速さでペースが上がります。この夏、パリでオリンピックの栄冠を勝ち獲る最大のチャンスを得るために、転覆することなくこの期間を勝利で乗り切るのは誰でしょうか?32フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)まいんど vol.3978㎏級の代表争いはオドレー・チュメ満員となったアコー・アリーナ。今年のGSパリがオリンピックイヤーということもあり大変な盛り上がりだったPhoto:Patrick Urvoy / Spirit of JudoText/Olivier Remy/L‘Esprit du Judoパリへの道パリ、スプリントが始まります!

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