まいんど vol.38 全日本柔道連盟
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▲図2:脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症、低髄液圧症の概念▲図3:硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ療法)年に「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究班」(研究代表者: 嘉山孝正教授)が組織され2011 年に「脳脊髄液漏出症の画像診断基準」が公表されています。その中では、主症状を頭痛(90%以上、起立で増悪することが多い)として、頚部痛、めまい、視機能障害、倦怠感などの症状は連日性、薬の有効性が乏しいなどの特徴がある場合に脳脊髄液減少症を疑い、画像所見でMRI、CTミエログラフィー、RI脳槽シンチグラフィー(放射性核種脳槽造影)による髄液漏出の証拠があれば脳脊髄液漏出症と診断され、低髄液圧(60mmH2O未満)または画像検査における低髄液圧所見の証拠のいずれか、または両方があれば低髄液圧症と診断されます。しかしながら、画像所見や臨床症状に合わない事例もあったり、画像所見の判定が難しい事例もあり、引き続き検討されているようです。この研究班では,臨床研究による脳脊髄液漏出症に対する硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ療法)の有効性・安全性を確認し,これらの研究成果と先進医療承認施設の治療実績が認められました。この結果、2018年4月より,本研究班の「脳脊髄液漏出症の画像診断基準」で脳脊髄液漏出症と診断された患者においては硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ療法)が保険適用となりました。この診断基準の「脳脊髄液漏出症の画像診断基準」というところは、理解しておく必要性があるようです。診断基準が出る前の2010年時点では、髄液漏れを止める目的で、硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)による治療が保険外で行われていたものの、その効果がみられない事例もあったようです。また、診断が確定できない事例もあり、さらに曖昧な診断の下で安易にブラッドパッチを行うことに対しては遅発性の癒着性くも膜炎が発症するなど安全性の観点からも疑問が呈されています。ただし、腰椎穿刺のような明らかな原因とは異なる、頭頚部などの外傷後に発症する場合には、本疾患は疑わなければ診断がつきません。頭頚部、脊椎に起こった外傷後に、次のような症状がある場合は本疾患を疑い医療機関に相談をしてください。ただし、本疾患に対する硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ療法)は、先進医療としての本治療法の施設基準を満たした医療機関でしかできませんので、自治体などのホームページなどでご確認ください。脳脊髄液減少症 (脳脊髄液漏出症、低髄液圧症)の症状急性期の主症状としては、起立性頭痛が最多で重要あるが、頚部痛、悪心、めまい、耳鳴、などを伴うことも少なくありません。病状の慢性化に伴い、全身倦怠感をはじめとして種々の症状の訴えが多くなる傾向があります。なお、急性の強い起立性頭痛(数分間でさえ座ることができないほどの)は低髄液圧症の可能性が高いと考えられます。 慢性期の症状として、起立性頭痛、頚~腰痛、四肢痛、全身倦怠感、易疲労性、めまい、耳鳴、視力低下などの脳神経症状、顔面痛や違和感、咽頭違和感、顎関節症状、動悸、息切れ、消化器症状(悪心、食思不振、下痢など)、自律神経症状、注意力低下、記憶力低下、うつなどの高次脳機能症状、不眠、易感染性、内分泌症状などといった一定の症状ではないところに注意も必要です。

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