◀▼子どもクラスでは、練習前にまず勉強。子どもたちには『古典の素読』や『読み聞かせ』も行っている▲◀「自分自身でなんとかできるという自信を、柔道で身につけてほしい」と綾川先生事が海外にはあることを知りました。人生の中でいつか……という思いがあったそうです。教員をやめ、道場経営を決意2018年、たまたま、東京都の四谷にある『文武一道塾志道館』のホームページを見ました。専業でやっている道場で、子どもから大人まで試合で勝つことを目的とせずに嘉納師範が目指していた、柔道を通した人間教育を中心にした子どもの教育と大人の初心者むけの柔道教室でした。数か月後に、またホームページを見たら正社員募集が出ていたそうです。とても興味が沸いたそうですが、それでもすぐに教員の仕事を辞めるわけにはいかず…。数年後と思っていたところ、館長先生と話す機会ができ、わざわざ栃木まで来て、「どうですか? やってみませんか?」とお誘いいただいたそうです。2018年4月、独立することを前提に、文武一道塾志道館に入社しました。その1年後、家族と相談のうえ、ついに独立。しかし、道場に畳を入れたところで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急非常事態宣言。〝正直、厳しいな〟と思ったそうです。ところが、奥さんは「できない理由が 1000個あったとしても、できる方法は10個くらいはある。その10個を探してやってみれば突破できる。一回決めたからには貫いたほうがいい」と言ったそうです。素晴らしい奥さんですね。ちなみに、今年の1月、綾川先生は柔道場経営者として、栃木市主催の『蔵の街とちぎビジネスプランコンテスト2022』で最優秀賞に選ばれました。道場の経営理念は、柔道の『競技としての勝ち』以外の『価値』を活かすこと。運動をする、本を読む、 2つの習慣が人生を豊かに現在、塾には子どもから大人まで30名以上の方たちが通われています。クラスは幼稚園児と小学生の「子どもクラス」と、中学生、高校生と大人の「大人クラス」の2つ。「運動をする、本を読むという二つの習慣が人生を豊かにする」という信念を持たれており、子どもたちにこれらの習慣を身につけさせることが大きな目標だそうです。最後に塾生のみなさんに、どんなことをどんなふうに教えたいと考えていますか? と質問しました。「一番は、自信をつけてほしいです。柔道、勉強ともに自信をつけてあげるには、できたことをしっかりとほめてあげることが大切です。ただ、できなかったとしても、がんばっているね、ということをしっかり承認することも大切だと考えています。もし、うまくいかなくても、もう一回立ち上がればいい。自分自身でなんとかできるんだ、人生を切り開いていけるんだ、という自信を柔道で身につけてほしいです」教育者としての眼差し、柔道家としての眼差し。今、こういう先生が存在していることにとても安堵しました。そして、何よりも柔道人の不撓不屈の精神をしっかり感じました。
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