まいんど vol.37 全日本柔道連盟
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巻頭特集Road to Paris パリ・オリンピックまで、あと1年!代表内定選手のコメント代表内定選手のコメントパリ・オリンピック代表内定選手。右から新添左季、阿部詩、阿部一二三、角田夏実「諦めないで良かった。オリンピックに出たいと言ってはいましたが、長い間現実的な目標ではなかった。52kg級時代も出たい思いはあったけど、正直届かないだろうと思っていました。内定はとても嬉しいんですけど、出るのが目標ではないので喜んではいられない。金メダルを持ち帰らないといけないと、気持ちを引き締めています。 早く決まった分、しっかりと調整していきたい。日本選手と海外選手では対策がまったく違うので、海外選手相手に集中できることはいい準備に繋がると思っています。自分も対策されることを前提に、新しい技も練習しています。 やっとスタートラインに立てました。パリで金メダルを獲って、応援してくださるみなさんに恩返しができるよう、しっかり準備します」[女子48㎏級] 角田夏実 (SBC湘南美容クリニック)「東京オリンピックが終わって、パリまで3年しかないということで、なかなか心と身体が休まる時間もなく、手術もして、約9か月柔道から離れて、そのあとは休む暇なく、突っ走ってきたかなと思います。常にパリでの2連覇を強く思いながら稽古してきたので、内定に喜びがないわけではないですが、喜ぶというよりホッとしています。 一番意識するのは、パリ・オリンピック当日の畳で120%の力を出すこと。兄妹の連覇は目標ですけど、そこを見ていれば自然にたどり着けると思っています。 これから1年と少し、まだまだ伸ばせる部分があると思いますし、長所を伸ばしていきたい。準備期間は短いよりも絶対に長いほうがいい。心技体すべてを、120%の状態に持っていきます。フランスは柔道大国のイメージも強いので、そういうところで金メダルを獲りたい」[女子52㎏級] 阿部詩 (パーク24)「1年以上も準備期間をもらいましたので、しっかり準備していきたい。早く内定をいただいて、試合でいろいろと試すことができるのが一番大きなメリット。オリンピックまでに何回か試合にも出ると思うので、世界選手権で出た課題を試して、しっかりやっていきたいと思います。 70kg級は金メダルが続いている階級なので責任も感じていますが、あまり詰め過ぎず、自分のペースでやっていきたい。 課題は、決めがまだ甘いこと。また、世界選手権では団体戦で後ろの技を食って、自分の弱点が浮き彫りになったと思っているので、いまは受け、捌きなど練習しています。練習から、隙を見せない柔道をしていきたいと思います」[女子70㎏級] 新添左季 (自衛隊体育学校)「まずはうれしい、ホッとしています。ここからが勝負なので、いっそう気を引き締めていきたい。 自分がここまで来られたのは丸山(城志郎)選手というライバルがいてのこと。(丸山選手との)厳しい、自分の中では本当に生きるか死ぬかの戦い、あれを戦い抜いた経験があるから今回も代表を決められたのだと思います。 本番までの1年、濃い1年にしたい。その間に大会も出ると思いますが、ケガだけ気を付けてしっかりやっていけば、最高のコンディションで当日を迎えられると思っています。 ここからパリまで、1年は短い。いまから新しい技に取り組むのではなく、自分の柔道を研ぎ澄まし、そのなかで新しい引き出しがあればそれを引き出していくという考え方でやっていきます。自分が最高の状態で当日を迎えることを何より優先して考えたいと思います」[男子66㎏級] 阿部一二三 (パーク24)今回、オリンピック本番の13か月前という、異例の早さで代表内定の発表を行いましたが、6月29日に行われた強化委員会後の記者会見で、金野潤強化委員長は、この早期代表内定制度の採用について、以下の4つのポイントを挙げて説明されました。①2017年の制度実施以来、早期内定者の金メダル獲得率が非常に高いというエビデンスがあること。②パリ・オリンピックは、出場権獲得とシード権獲得というミッションがあること。シード選手のメダル獲得率が84%(男子75%、女子92%:東京オリンピックP15参照)と高く、シード権をとらないとメダル獲得は難しく、そのために計画的な派遣(IJFツアー出場)が必要であること。③準備時間が長いほうが金メダルの確率が高いというデータがあること。 ④東京オリンピック後の監督・コーチ、選手へのヒアリングで、実感的に早期内定を好結果の要因と挙げる者が多かったこと。そして、今回の選考においては、ドーハ世界選手権で優勝していること、そして、2番手の選手との間に、実績的に大きな差があるという基準を設け、その基準にあった選手を選んでいることも説明されました。代表内定選手は、これから約1年間、まずは出場権、シード権を獲得するためにIJFツアーに出場し、そして、オリンピック当日にベストのパフォーマンスができるよう、しっかりと調整を行っていくことになります。また、8月4日(金)~6日(日)に開催された『ワールドマスターズ2023』の結果を受けて、6名(男子4名、女子2名)の代表内定選手が追加されました(P46参照)。詳報、選手のコメントに関しましては、次号で掲載させていただく予定です。13まいんど vol.37

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