まいんど vol.36 全日本柔道連盟
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▲議会での様子▲高知県警の稽古に参加した時の様子――柔道を始めたきっかけは?「中学校に入って最初はバスケットボール部に入ったのですが、自分はチームプレーが苦手だということに気がついて(笑)。辞めたあと、友だちに誘われて2年生から柔道部に入部しました。最初は大変でしたね。柔道って肉弾戦じゃないですか。練習で休むところがないというか、正直バスケットボールよりきついと思いました。部員は少なくて、高校生まで合わせて女子は2人、男子は5人。その分他校との合同練習は多かったですね。高知南、高知学園、高知農業、岡豊……いろいろな学校に柔道を通じた知り合いが増えました。楽しかったですよ、技が決まったときは。得意技は背負投でした。当時は48㎏級で、高知県だと4~5人。最高は3位で、2位までが進める四国大会には届きませんでした」――鹿屋体育大学でも柔道を続けました。「高校時代の恩師・田村欣久先生が広島大学柔道部の出身だったので、広島大学に合宿に行ったことがあります。そのとき、一緒に参加されていた鹿屋体育大学の濱田初幸先生(当時。現カンボジア代表監督)に『あなたのような進学校の子こそ、大学で柔道を続けることに意義がある』と声をかけていただきました。それが心に残って、『よし行ってみよう』と。ところが行ってみると、やっぱりレベルが高くて高くて(笑)。選手としては活躍できませんでしたが、そのなかで、コツコツと自分なりのペースででも続けられたのは良かったと思います。高校までは競技としての柔道しか知りませんでしたが、この時期に嘉納治五郎師範の教えなどを学ぶことができたことで、柔道をより幅広く見られるようになりました」――卒業後は家業を継ぎ、4年前から経営者に。「子どもの頃から商売に関心がありまして、いずれは自分が継ぐのだろうなあと思っていました。実家は100円ショップを展開していて、最初は社員として入りました。その後結婚、子どもが生まれ、4年前に代表取締役になりました。この2つでも相当大変だなと思っていました」――そんななか、去年は県議選に立候補しました。「もともと祖父が(高知県旧吉川村)村議、父が(高知県香南市)市議だったので、将来父が亡くなりでもしたら、自分もやることがあるのかもしれないと漠然と考えていましたが、たまたまこの選挙区の県議2人が辞職したことで急きょ話が来て…。でも求められているのであれば頑張ってみようと立候補しました。予想していなかった方向に人生が進んでいきますが、学生時代を思い出して、『あのときの練習よりしんどいことはない。あれが耐えれたがやき、なんとかなるろう(土佐弁で『あれが耐えられたのだから、なんとかなるだろう』の意味)と思ってやっています」――どんなところにやりがいを感じている?「いま力を入れているのは地域の防災と、女性が働きやすい社会作りですね。特に後者では女性の事業承継を進めています。ただ、日々勉強不足を痛感しています。そもそも高知県は人口が減り、産業も元気がなくなっている。もっと地域だけでなく県全体を視野に入れて、提言していきたいと思います」――柔道はどのように役立っている?「まずは体力、気力ですね。大学まで続けられたことは自分の自信になっています。何か迷ったときに、一歩足を踏み出せる勇気につながります。あと議員として活動し始めて改めて思うのは、目の前の人に対して、1対1で真剣に向き合うことの大切さです。その点、柔道をやったことで、人と向き合う勇気と対応力がついたと思います。また柔道をやっていたことが、自分に対しての『信頼』につながっているとも感じますね。『あんなきついことやっていたの? すごいね』とか『根性あるんだろうね』とか(笑)」――現在の柔道との関わりを教えてください。「去年は、県警本部の柔道特訓に参加させてもらいました。柔道衣を着るのは7年ぶりでしたが、学生時代と違った楽しさを実感することができました。議員活動をするようになってから柔道関係者とのつながりも増え、柔道人口が減っていることを改めて知りました。柔道には競技だけでなく、いろいろな良さがあります。興味を持ってもらえるような活動をしたいですね」柔道で身に付いた人と向き合う勇気と対応力槇尾絢子 まきお・あやね1989年生まれ。高知県香南市出身。私立土佐中学校2年生のとき、柔道を始める。土佐高校、鹿屋体育大学でも柔道を続け、体育学部武道課程を卒業。父が経営する有限会社山本商会に入社、2019年から代表取締役に。2022年高知県議会議員香南市選挙区の補欠選挙に無所属で立候補、初めての当選。2023年4月の高知県議会議員選挙で2期目の当選を果たす。PROFILEやわらたちのセカンドキャリアやわらたちのセカンドキャリア〜私たちの選択〜〜私たちの選択〜大学まで柔道を続け、企業経営のかたわら、祖父、父と携わってきた地方議会議員の世界へ。現在、母親、経営者、高知県議会議員の3足のわらじを履いて活躍する槇尾絢子さんを紹介します。槇尾絢子さんが選んだ道 地方議会議員FILE.2120まいんど vol.36

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