10月に行われたタシケント世界選手権でフランスが獲得したメダルはわずか 5個でした。タシケントで、男子の体制を全面的に刷新しようと準備を進めていたフランスが笑顔を取り戻すには、ロマーヌ・ディッコ選手のタイトルでさえ十分ではありませんでした。(訳:ピエール・フラマン/広報委員)フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)『東京』への道オリンピックからグランドスラムへText/Olivier Remy / L’Esprit du Judoタシケント世界選手権78㎏級優勝のロマーヌ・ディッコ選手(写真は団体戦準決勝)© E. Charlotベンチマークである、 パリと東京のグランドスラム490日…これは、フランスが優勝を果たした東京オリンピックの混合団体戦、柔道の最終日から、2022年の東京グランドスラムまでの日数であり、いま世界の柔道は、そこに向け、ハングリー精神を持って進んでいます。このグランドスラムは他のグランドスラムと同じですか? 他の試合と同じですか? そうではありません。なぜなら、フランスから見れば、間違いなく世界中の多くの選手やコーチにとって、日本は日本であり続け、他のグランドスラムとは違います。別格なのです。アンタルヤ、ブダペスト、最近ではアブダビやバクーのグランドスラム、さらにはエルサレム・マスターズなどがありますが、それらの大会を軽視するのではなく、ベンチマークの国際大会を考えると、私たちはパリと東京を思い浮かべます。伝統的な大会は2つしかありません。1971年にパリ国際大会が誕生し、1978年に、2008年にグランドスラム東京になる嘉納治五郎杯が誕生しました。両大会は現在もIJFワールドツアーに残っていますが、ドイツ国際大会(デュッセルドルフ、ハンブルグ)やオランダ国際大会 (ロッテルダム) は、以前は、世界大会カレンダーにおいて重要な大会でしたが、今はあまり目立ちません。ひと握りのフランスの勝利 グランドスラム東京で金メダルを獲得することは、象徴的であると同時に難しいことでもあります。フランスは何度もそのことを思い知らされています。実際、グランドスラム東京(前身の嘉納杯も含め)で優勝したフランス人は女子が6人、男子が4人、わずか10人です。1996年11月に86㎏級で表彰台の最高位を記録したバンサンゾ・カラベッタは当時の雰囲気と時間が止まったような、優勝の瞬間のことをよく覚えていると言います。「当時のフランスはレベルが非常に高かったのですが、私はそんなフランスのチャンピオンでした(編集者のメモでは、彼は3回優勝している)。私の階級にはフレデリック・デモンフォコン氏や、フランス柔道連盟の現在の会長であるステファン・ノミス氏もいました。フランスで3度目のチャンピオンになった直後に、私は嘉納杯の代表に選出されました。それは本当に大きな感激でした。私は伝統的な柔道の子どもなので、日本の観客の前で勝つことが夢でした」と、1994年のヨーロッパの銀メダリストで、現在、アルザス(フランス東部)のクラブの部長である49歳のカラベッタ氏が言っています。彼より前では、1990 年に優勝したジャン=ルイ・ジェモン氏(86㎏級)とステファン・トレノー氏(95㎏級)、彼の後ではラルビ・バンブダウ氏(1999年、66㎏級)だけがそれを達成しています。フランス男子にとって、勝利のパフォーマンスを永遠に繰り返すのは困難です。グランドスラム東京で優勝するのは非常に難しい目標ですが、女子はもう少し成功しています。 セリーヌ・ルブラン(2007年:78㎏級)、ルシュ・デコス(2008年:70㎏級)、クラリス・アグベニュー (2010年、63㎏級)、オドレー・チュメオ (2010年:78㎏級)と ジブリズ・エマネ(2014年:70㎏級)。最近では、大阪で行われた2019年のグランドスラムで、阿部詩を破った唯一の勝利者であるアマンディーヌ・ブシャール (52㎏級)によって達成されました。(敬称略)男子チームを再起動する 「ラ・スクワッド」とは今年のグランドスラム東京に選ばれたフランスチームは? 10月中旬になってもまだ男子チームの公表はされていませんでした。女子の場合、派遣されるのはトップ2のチームまたはトップ3のチームです。フランスで特に注目されているのは、2028年ロサンゼルス・オリンピックのための若い選手の行動ですが、フランス柔道は加速したペースで選手を成熟させることを決定しました。クリストフ・ガグリアーノ氏(1996年、71㎏級のオリンピックメダリスト)の責任下に置かれた男子チームの結果に不満を持っていたステファン・ノミス氏の推進力の下で、前例のない組織が設置されました。『ラ・スクワッド』がその名称で、9人のアスリートが集められ、24まいんど vol.34
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