まいんど vol.32 全日本柔道連盟
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委員会 Informationの見直しを実施しています。今回も東京オリンピック後に見直しが行われ、次のパリ・オリンピックまでのルールが昨年12月30日にYouTubeで世界に発信されました。主な改正点は次のとおりです。①立技の判断の改善*東京オリンピックまでは度々「軽すぎる技あり」が問題視されていました。取が掛けた投技が一旦中断したり、中断した後、次の動作で方向を変えて相手を倒してもスコアを認めないこととなりました。また、ほとんど腹ばいに近い倒れ方をしても体側が畳に着いていれば「技あり」と判定されていましたが、受の体の肩と腰の部分が畳に対して90度以上背中側に倒れていれば「技あり」を認めることになりました。*通称「めくり」に対してスコアを与えないこととなりました。取が掛けた技を、受が逆方向にめくるように飛び越えながら転がっても、受の両足は空中にあり投技の評価は与えないことになりました。*巻き込む技などで投げながら寝技へ移行する場合に、多少相手の帯から下へ取の手や腕が触れたり握ったとしても「指導」は与えないこととなりました。ただし、相手を投げるために手や腕を使用した場合は今までどおりスコアを認めず「指導」が与えられます。②選手の安全を守るための改善 頭部打撲の危険性のある通称「逆背負投」が禁止技となり、掛けた場合は「指導」となりました。また、今までも反則負けとなっていた「ダイビング」について、今まで以上に厳格に判定することとなりました。当然ですがIJFルールで試合を行うのはトップ選手だけではなく少年も同じです。万一トップ選手の真似をして頸椎捻挫などの事故があってはならないという配慮です。③より積極的な柔道へ導く改善 お互いに組んで、より積極的な展開へ導くために、今まで「指導」と判定されていた相手の組み手を両手で切ることや標準的ではない組み方グリップなどが、攻撃へつながる動き・動作であれば「指導」を与えないこととなりました。④遅延行為やマナーの改善 帯を緩く絞める・柔道衣が何度も乱れる・髪の止め方が緩く何度も結い直しで中断する、また主審の指示なく勝手に結い直すなどの行為に対して2度目で「指導」を与えることとなりました。 ルールを良く理解いただくと柔道を見るときに、より楽しんでいただけると思います。『全柔連TV』でも審判委員会が開催した講習会をご覧いただけます。ぜひ一度ご覧ください。強化委員会ジュニア事業の再開 2019年10月に開催された世界ジュニア選手権大会(モロッコ)に参加して以来、約2年3か月ぶりに日本のジュニア強化選手が国際大会(グランプリ·ポルトガル)に参加してきました。 2020年3月、すでに日の丸の柔道衣を準備していたコインブラジュニア大会(ポルトガル)、ブレーメンジュニア大会(ドイツ)が、新型コロナウイルスの影響により急きょ中止となり、初めての国際大会を楽しみにしていたジュニア選手には、大変悔しい思いをさせてしまいました。その後も国内で予定していた全日本ジュニア・カデ合宿、 海外のチームを招いて行う国際合宿、全国5か所で行うブロック合宿が次々に中止となり、さらには大会だけでなく練習もできない状況になりました。この期間、トップ選手や全国の先生方には、オンラインを活用して選手を激励していただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。

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