2022.2 Vol.31 みなさまこんにちは。昨年6月より理事に就任しました渡辺涼子です。2009年より東京オリンピックまでの13年間、強化に関わり、さまざまなことを学ばせていただきました。その際、お世話になりました選手、所属スタッフ、強化スタッフをはじめ多くの関係者のみなさま方にこの場をお借りして、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。 現在は、強化で経験したことをもとに、「強化」と「教育」の両面から社会に貢献できる人材の育成を目指し、日々、所属現場で学び続けています。 そのなかで私自身が最も大切にしていることは、「道場の中で大切にしていることを道場の外でも大切にしていく」という心構えです。礼儀、マナー、相手に対しての思いやり、自身で律する力を養う、潔さ・ひたむきさ・素直さなど柔道を通して多くの学びがあります。どれをとっても人として当たり前のことですが、日常生活のなかでどう活かしていくかを考え実践していくには、上記の心構えを理解し納得することが必要になってきます。 さて、私が今の職場に就職した頃、職場の上司が新入生に話をしていた言葉が今も心に残っています。内容は、「大学時代に体力と知力を鍛えよう。どちらも必要。常に目的意識を持って鍛えていくことで気力(迫力)が出てきて、説得力に繋がる。そうすると社会に出ても役立つ」ということでした。その頃の私は、現役を引退したばかりで、柔道で学んだことを社会生活にどう活かしていくかを日々考えていた時期でしたので、とても腑に落ちた言葉でした。 私自身柔道に関わるなかで、選手としてまた指導者として試合に負けて悔しい思いをたくさんしてきましたが、それ以上に柔道に対する良い思い出もたくさんあり、柔道を始めた頃に、道場の先生に正座の姿勢が良いと褒められたこと、女子の強化合宿で受身の練習をしていたこと、いつも多くの仲間や選手・指導者に支えられていたことが挙げられます。テクニックや勝敗の部分にとらわれがちですが、思い出として残っているのは基本的な部分ばかりです。そして、ここに柔道の価値があるように強く感じています。 いま、柔道界は人口が減少し柔道の価値をどう発信していくかが課題の一つとなっています。その課題に対して昨年の9月に新しく、ブランディング戦略推進特別委員会が設置され、全国各地でもさまざまな取り組みが始まっています。私の住んでいる石川県においても、ベテランと若手、男女の役員が役割分担と連携を図りながら、柔道の魅力を発信していける取り組みを考えています。 今後、次世代に繋いでいける取り組みと柔道においてプラスのイメージを持っていただけるような情報発信を継続できるよう、MIND精神のもと、現場での学びを社会貢献に活かす努力をしていきたいと思います。さらに、試合会場などでみなさんとコミュニケーションを取りながら多くの意見交換ができることを楽しみにしています。今後ともご指導ご鞭撻のほど、なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。公益財団法人全日本柔道連盟 理事前強化副委員長 渡辺涼子道場の中で大切にしていることを道場の外でも大切にしていくContents特集ROAD TO PARIS2024『パリ2024』への道、スタート!全日本選手権&皇后盃で令和3年度柔道日本一決定! 4ブランディング戦略推進特別委員会活動報告『柔道のこれからを考える!』アンケート結果から柔道の現在地を知る。 6Reportオリンピックメダリストが中学校で出張特別授業実施! 14お知らせ2022年度の登録手続きについて 16連載普及の広場~柔道を「続けよう」「始めよう」~ 18やわらたちのセカンドキャリア 22やわら通信 24THE柔道人 26L’Esprit du Judoコラボ企画 27海外「JUDO」ホントのところ 28柔道ゼミナール~メディカル編 30柔道ゼミナール~栄養&レシピ編 32委員会インフォメーション 352022年度大会スケジュール 45FROM事務局 463まいんど vol.31
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