柔道人気の高いフランス・パリで開催される2024年のオリンピック(写真は2018年のグランドスラム・パリ、超満員のベルシー体育館)強化委員会パリで最高の日本柔道を――東京開催が決まったとき、私は50年に1度のオリンピックという自国での開催に特別な感慨を持ったのを憶えています。それが、新型コロナウイルスの流行、大会延期という思いもかけなかった状況に感慨を持つ余裕などどこかにいってしまいました。周章する私とは対照的に選手は柔道家として素晴らしい戦いを見せてくれました。真摯に戦う姿勢に胸を熱くしたのは私だけではないはずです。大会終了後、私の心には安堵感とともに「2024年のパリはさらに厳しい大会になる」という思いが湧き上がり、心の中心に居座っている気がしました(基本的に気が小さいのです)。海外の強豪は打倒日本の想いを今まで以上に持っていることが想像できます。パリで勝利するためには、さらなる進化が必要になるはずです。ただ、東京大会を終えて感じたことは勝敗にこだわることだけではありません。多くの人々に支えられていること、世界中から集まるスポーツを愛する方々やボランティアの方々との交流などオリンピックには多様な意義があることも改めて感じることができました。「最強」でなく「最高」の選手育成を目指す。山下泰裕前委員長、斉藤仁前々委員長から引き継ぐこのモットーとともに、パリに向けて精進してまいります。引き続き応援のほどよろしくお願いします。委員長 金野 潤副委員長 井上 康生副委員長 中村 敦子
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