人生100歳時代島根県柔道連盟 濱岡繁人出口が見えない新型コロナ禍のなか、ウィズコロナを模索していかなくてはならないのも柔道に課せられた課題です。負の連鎖を抑えるため、休むことも必要、しかし、その負の拡大にかかわる抑制を講じながらの活動も工夫していかなくてはならない時代(とき)でもあります。まさに、今と未来を見据えるシンキングベストタイムです。そうしたなか、柔道に係る推進の基幹を「不易と流行」、そして「成年層の資質の向上」に置いた実践に取り組んでいます。少年層の拡大普及を図る得策として、柔道の魅力発信は大きな役割です。その視点に迫る一策として、成年層の充実に基軸を据える試みを模索中です。人生100年時代を迎え、柔道がそれを支える手段として適していると考えた故です。一緒に汗を流すひとりの柔道愛好家にヒントを得ました。年齢は72歳、元総合病院長であり現役の医師である。著書「人生100年時代 お金のかからない処方せん」で紹介された一項に火を付けられたことに端を発します。68歳の折、人生100歳を豊かに生き抜くお金のかからない手段を求め、体つくりに、道の精神と教育観を大切にする柔道に一念発起し、柔道教室に入門しました。押したり引いたりしての筋力強化、理にかなった体さばき、そして身を守る受身、どれをとっても人生100年を謳歌できる最良の手段とし紹介されました。それこそが柔道の魅力発信の原点ではないかと考えました。また、柔道を楽しみたい、本物に触れ爽やかな汗を流したいという環境の整備は、成年層の開拓に大きなヒントがありそうです。かつての経験者が、いま親子で柔道を楽しみ、指導者として明日を支える柔道の魅力を発信。幼児はもとより年齢を問わず高齢者に至る老若男女が、柔道の実際に触れ、柔道の素晴らしさを体感し、発信する柔道普及の大きな起爆剤に期待を寄せます。「和歌山で柔道を続けよう」(公財)和歌山県柔道連盟今の和歌山県内柔道指導者の想いをそのまま表現した普及事業を、令和3年11月23日に和歌山県立武道館にて開催いたしました。題して「和歌山で柔道を続けよう」。今回の普及事業は、県下の小学生とその保護者、及び少年柔道の指導者を対象に、和歌山県で育った柔道選手と他府県から和歌山県に就職している選手・指導者を講師に迎えて、彼らの活躍や本県の柔道の歴史を紹介し、本県で柔道を続けることの素晴らしさをアピールしました。オープニングでは、2015年に本県で開催された「紀の国わかやま国体」の動画を視聴しました。柔道競技だけでなく他種目の本県代表選手の活躍も見て、本県スポーツのPRにもなりました。指導の内容は、具体的な技の指導ではなく、練習方法の指導を中心に行いました。例えば組み合ってからの攻防こそが柔道本来の姿だとして「柔道衣をずらす、間合いをとる等」により「つくり、くずし、かけ」の理合いを学び柔道の楽しさを伝授しました。午前の講習の終わりには県柔連会長から保護者に対して全国的な柔道の現状と課題の説明と本連盟の普及活動への理解を求める話がありました。午後の講話では、専務理事から柔道を継続することの意義について、柔道は習い事であり、日々心と体が鍛えられ成長していくもので、試合はその延長線上にあるものであり、少年期は体力差が著しく、技がかからないし、勝てないのは当然。でも、続けていけば必ず、いつか強くなると語られました。また指導者は勝つ喜びを感じさせること以上に、一人ひとりが上達している達成感を味わわせる指導が大切であるとも話されました。参加者からは近年まれに見る充実した講習会だったと感想をいただき、指導者からも高評価をいただきました。来年度以降も普及活動として取り組んでいきたいと思います。普及の広場〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜20まいんど vol.31
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