まいんど vol.30 全日本柔道連盟
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あと2年半です! ―フランスはその領土でオリンピックを主催します。柔道はもちろん、フランスのチームは競争に勝つための準備をしていますが、それだけではありません。今回はフランス柔道戦略の要である「パリへの道」のエピソード1です。(訳:ピエール・フラマン/広報委員)フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)すでにフランスは2024年に向かっていますText&Photo/Olivier Remy/L’ Esprit du Judo チームの喜び(東京五輪・男女混合団体戦・優勝)photo/Emmanuel Charlot/Spirit of Judo東京オリンピックの結果と それを若い選手が引き継ぐことで 柔道の立場は強くなった日本が獲得した9個の金メダルには大きく遅れをとっていますが、女子63㎏級のクラリス・アグベグネノウ(Clarisse Agbegnenou)のタイトルとフランスでは非常に大きなインパクトとなった男女混合団体のタイトルを含む8個のメダルで、フランスの柔道チームは笑顔で東京から戻ってきました。柔道はフランスにこれまで最も多くのメダルをもたらしたスポーツでもあります。東京オリンピックのメダリスト33人中8人。これは明らかにフランス柔道連盟がフランスのスポーツ界で強い立場でいることを可能にします。また、フランス柔道連盟は、スポーツの殿堂であるINSEP(国立スポーツ体育研究所)のディレクターに最近任命されたファビアン・カヌ氏(Fabien Canu)の支援も期待できる状況にあります。(ファビアン・カヌ:世界柔道選手権86㎏級で4回メダルを獲得。1987年と1989年は世界チャンピオン)。そして、これはフランス柔道の年の始まりのもう一つの朗報です。東京で戦ったシニア選手に続き、現在のジュニア世代はとても良いレベルです。 このことは、9月のヨーロッパジュニア選手権でメダルやタイトルを獲得した個人戦でも見られます。 ロマン・ヴァラディエ・ピカー(Romain Valadier-Picard、男子60㎏級で1位)、マキシム・ゴベール(Maxime Gobert、男子66㎏級で1位)、アルノー・アレグバ(Arnaud Aregba、男子73㎏級で2位)、レア・フォンテーヌ(Léa Fontaine、女子78㎏超級で1位)、クロエ・デビクター(Chloé Devictor、女子52㎏級で2位)、ファイザ・モクダール(Faiza Mokdar、女子57㎏級で2位)、コーラリー・ハイメ(Coralie Haymé、女子78㎏超級で2位)、レア・ベレス(Léa Bérès、女子48㎏級で3位)。さらに10月にイタリアで開催された世界ジュニア選手権で獲得した8個のメダルは、日本が参加しなかったことを考慮に入れたとしても好成績で、ヨーロッパジュニア選手権でフランスのメダリストになった選手は、アレグバとベレスを除いて、メダルを獲得し、なかでもクロエ・デビクターとコーラリー・ハイメはチャンピオンとなりタイトルを獲得しました。加えて、いま紹介した両方の選手権においても、東京オリンピックと同様に、男女混合団体で金メダルを獲得しました。 これらは、2024年のパリ・オリンピック、とくに2028年のロサンゼルス・オリンピックを見据えると、すべての柔道選手に自信を与える重要なパフォーマンスでした。いわゆるフランス語で言う「信号が青になっている」状態であり、柔道はフランスのスポーツ界におけるこの良い流れとその発展を後押しする波に乗って進みます。多数のプロジェクト確かに、数か月前に「フランス柔道」と改名されたフランス柔道連盟のトップであるステファン・ノミス会長が率いる新首脳陣は、多くのプロジェクトに取り組んできたと言えます。第一に、連盟の主要な関心領域にあるスポーツに関しては、ヨーロッパジュニアカップが組織され、12月にゴールデンリーグクラブ(ヨーロッパのクラブカップ)が開催されます。また、団体戦のヨーロッパ選手権、さらには個人戦も行うヨーロッパ選手権の主催を提案しました。そしてまた、発展の面としてブラジリアン柔術(約1万人の開業医のグループ)と「趣味」として行う愛好家のための柔術を選択できるように統合し連盟に組み込みました。この部門は現在、柔道の元フランスの代表選手、柔術の世界チャンピオン、そして柔道の世界に非常に近い最初のフランスの格闘技家であるベルトラン・アムス氏(Bertrand Amoussou)の責任下にあります。以前のチャンピオンと技に優れた元選手を起用している連盟はこの論理に沿って、2001年の世界チャンピオンで2000年のオリンピックメダリストであり、最近まで副会長を務めていたフレデリック・デモンフォーコン氏(Frédéric 22まいんど vol.30

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