普及の広場少柔協中央委員会 「少年期の柔道を考える」全国少年柔道協議会中央委員会(以下、小柔協)は、少年期(小学生以下)の子どもたちへの柔道の普及振興を目途として、さまざまな事業を展開しています。その一つに、子どもたちが競技力の向上とともに人として健全に心身を成長させられる指導の在り方を追究するWG(ワーキンググループ)があります。WGでは、最近の小学生の試合で、過度の組み手の攻防やヒザをついたり倒れ込んだりする光景が多く見られることから、地区大会での実態調査(※)を基に、あるべき指導の方向性を探ってきました。WGでは「まず組むことが第一で、組まなければ何も起こらない、組み手を切ってばかりでは技を覚えない」、「少年期は、日本柔道の目指すところを打ち出してもいい、組んで技をかけて一本を取れる力をつける、目の前の勝負は関係ない」、「組んでから組み手の攻防が始まる、技の攻防も始まる、組むことで体さばきも覚える」、「組み手の攻防も大切な技術だが、組まなければ技を覚えない」、「立って技をかけることで下半身の使い方を覚える」等の意見が交わされました。そこで、以下のような仮説を設定し、11月18日に行われた加盟団体会長会で意見交換を行いました。今後、仮説をさらに精査して、少年期の指導の在り方を提言として発信していく予定です。※東京都の小学生学年別大会で、試合中に、①組んでいる時間、②ヒザをついた回数、③倒れ込んだ回数を調査(2021.6)啓発冊子の活用未経験者から教員を目指す大学生までを対象として、4種類の啓発冊子が発行されています。大会、講習会や道場・クラブの見学者に配布する等、全国各県で活用されています。現在、改訂作業を進めています。来年早々には新版が完成する予定ですので、ご期待ください。なお、引き続き現行版の活用もお願いします。啓発冊子の発送依頼書は、全柔連HPの「普及の広場扌全柔連からのお知らせ」からダウンロードできます。仮 説⃝乱取で組み手争いを減らすことにより、技を施す機会が増え、投技の技能向上が図れる。⃝体格差、体重差を利して倒れこむことなく、引手・釣手で相手を崩し下半身のバネや筋力を利かせて技を施すことにより、投技の技能向上が図れる。⃝両足で立って背負投等を施すことにより、下半身のバネや筋力を利かせて投げる投技の技能向上が図れる。 また、ヒザをついた低い姿勢で投げることがなくなることは、ケガの防止に効果がある。[WG委員]大迫明伸、西田孝宏、金野潤、田中裕之〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜
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