「試合時の補食について」栄養&レシピ編日頃の食事ももちろん大切ですが、試合で全力を出し切るための食事、つまり試合時の食事や、試合と試合の合間にとる補食もとても大切です。ゼミナール柔道JUDOこのコーナーでは選手、指導者を対象に、それぞれのスキルアップに役立つ話題(コンディショニング、トレーニング、栄養、心理、メディカル、コーチングなど)を紹介します。指導者のスキルアップのための上村香久子うえむら かくこ管理栄養士/調理師。全日本柔道連盟強化委員会科学研究部員、JOC強化スタッフ(情報・戦略、医・科学スタッフ)。12年ロンドンオリンピック以降、柔道日本代表の栄養サポートを行っているPROFILE試合間の補食について東京オリンピックでは多くのみなさまが柔道を見られ、応援されたと思います。私は、東京オリンピックにおいて、選手が試合時に力を発揮するための戦略の一つとして「試合間のエネルギー補給方法」を考え、サポートしていました。試合時の食事、補食のとり方については、『まいんど』の16号でご説明していますが、今回は、試合間の補食について復習を兼ねてお話しします。表1は、試合時の食事・補食例です。こちらの表で誤解しないでほしいことがあります。試合4時間前に食事をとり、試合2時間前に補食をとり、さらに1時間前に補食をとるという意味ではありません。食事・補食を済ませたあと、試合までエネルギー切れを感じなければ、補食をとらずに試合を行って結構です。しかし、食事をしっかりとることができなかった、食事・補食をとったけれどエネルギー切れを感じるといった場合、試合までどのくらい時間があいているかによって選ぶ食品が変わります。お気づきのとおり、試合時間に近くなるほ試合と試合の間には、どのような補食をとればいいですか?試合間の補食は、エネルギー源(炭水化物)、水分補給を中心に行いますが、次戦までの試合時間間隔によって、腹持ちのよい食品、消化の早い食品を組み合わせてとるのがよいでしょう。QA表1 試合日の食事、補食のとり方表2 各食品に含まれるエネルギー、炭水化物の量試合3~4時間前炭水化物中心に油の少ない食事(おかずも少しプラス)例)おにぎり、うどん、おかゆ、パン、卵料理、果物 メインのおかず等試合2時間前(補食) おにぎり、おかゆ、カステラ、パン(ジャムパン等)、バナナ、ようかんエネルギーゼリー、スポーツドリンク、果汁飲料、タブレット、あめ玉、はちみつ、水試合1時間~30分前(補食) バナナ、エネルギーゼリー、スポーツドリンク、果汁飲料、タブレット、あめ玉、はちみつ、水試合前(補食) エネルギーゼリー、スポーツドリンク、タブレット、あめ玉、はちみつ、水試合後(次の試合がある場合)次戦までの時間間隔に合わせて上記の補食をとる次戦まで長くあく場合(休憩など2時間以上)炭水化物中心に油の少ない食事(おかずも少しプラス)例)おにぎり、うどん、おかゆ、カステラ、パン、バナナ、ようかん、はちみつ、卵料理、果物、ゆで卵、缶詰、プロテインパウダー 等食品エネルギー(kcal)炭水化物(g)おにぎり1個(約100g)16837.1ロールパン1個(約30g)9514.6カステラ1個(約50g)16031.6バナナ1本(約100g)8622.5エネルギーゼリー1個(約180~200g)100~20025~5040まいんど vol.29
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