2021.9 Vol.29公益財団法人 全日本柔道連盟強化委員長 金野 潤柔道界が誇りある組織であることを示すことができた東京オリンピックContents特集東京2020オリンピック&パラリンピック東京オリンピック閉幕 4井上康生男子監督増地克之女子監督日本代表の熱戦譜 6それぞれの立場から見た東京2020 14東京パラリンピック閉幕 16佐藤雅也 女子監督遠藤義安 男子監督写真で見る日本代表の熱戦ミックスゾーンから見たパラリンピック 21東京2020大会の裏側をクローズアップ! 22全日本柔道連盟 山下泰裕会長 会長再任のごあいさつ 26特別寄稿「柔の道」と「旅の道」 38連載グローバル人材のロールモデル嘉納治五郎先生 28柔道を「続けよう」「始めよう」 30やわらたちのセカンドキャリア 32やわら通信 34海外「JUDO」ホントのところ 36柔道ゼミナール~栄養&レシピ編 40普及の広場 42委員会インフォメーション 45FROM事務局 50東京オリンピック大会を応援していただいたみなさま、本当にありがとうございました。日本武道館は無観客での開催でしたが、みなさまの応援が選手たちの背中を力強く押していただいた気がいたします。また、大会関係者や柔道関係者だけでなく、コロナ禍のなかでも活動していただいたエッセンシャルワーカーの方々、ボランティアでオリンピックを支えていただいた方々にもこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。選手、監督、コーチ、スタッフとともに戦ったオリンピック柔道競技の8日間は心が震えるような感動の連続でした。戦い切った14名の選手たちを心から誇りに感じています。みなさまもご存じのとおり、世界的な新型コロナウイルスまん延の影響を受け、2020年開催予定の東京オリンピックは1年の延期を余儀なくされることとなりました。大会前はオリンピック開催に懸念を表す報道があふれ、開催への否定的な意見がテレビ、新聞、ネットにあふれる状況が続いていました。ときに批判の矛先は代表選手たちにさえも向けられることもありました。不安を抱える選手たちを、井上監督、増地監督を中心にしたコーチ、スタッフが選手たちに寄り添い、所属の方々と手を取り合って支えてきてくれました。私自身も、多くの方々に助けられながら、ここまでたどり着けたことを深謝しています。私が強化委員会のメンバーとともに心がけたことは二つです。一つは「フェアであること」。選考も人事も事業もすべての選手、指導者、スタッフに公平公正さを持って接することです。例え不器用でも、私心なくフェアであれば信頼関係が醸成されるはずだと思ったからです。二つ目は「和して同ぜず」のチームとすること。役職、年齢、性別に関わらず意見をお互いが言い合えるようにしながら、方向が決まれば協力して進んでいけるチームにしたいと思いました。とくにコロナ禍での苦境のなかでは信頼と協調、協力こそが活動の原動力となったと確信しています。5年前、雑誌のインタビューで東京大会をどんな大会にしたいかを聞かれたときに私は生意気ながらも、こんな言葉を述べさせていただきました。「勝つことも大事ですが、柔道家としての振る舞い、運営、コーチングすべてにおいて、柔道界が誇りある組織であることを示す大会になるといいと考えます」素晴らしい選手や多くのみなさまのご尽力のおかげで、その願望は達成できたと私は思っています。3まいんど vol.29
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