▲宮崎県小林市での転び方講習▲小学校での柔道体験学習の様子教育普及部会・少柔協中央委員会合同【転び方WG】発足 柔道には多くの効用があり、その一つに受身があります。受身を身につけることによって、子どもからお年寄りまでケガ防止に役立ち、安全な社会生活を送るうえで有益な技能となります。 最近の子どもたちは、社会環境や生活スタイルの変化から、外遊びや集団での活動が減少していることにより、安全な転び方を身につけていない傾向があります。この点に着目して、転び方を指導する講習や教室は、すでに全国各地で行われています。しかし、指導内容や方法は統一されておらず、指導する方がそれぞれ独自の指導法で実施している現状があります。 そこで全柔連では、教育普及MIND委員会教育普及部会と全国少年柔道協議会中央委員会が合同ワーキンググループ(WG)を立ち上げ、転び方の指導について考える取り組みを開始しました。そこで話し合われた内容です。⃝都道府県柔道連盟(協会)にアンケート調査を行い、柔道未経験の幼児を含めた子どもたちへの転び方指導の実施に関する実態を把握する。※実施済⃝都道府県柔道連盟(協会)役員や転び方指導に関わっている方を対象として、オンライン会議(意見交換会)を行う。⃝転び方指導の内容・方法を検討して、標準的な指導テキストを開発する。 幼児への接し方、指導していくうえでの注意点などについては、幼児教育専門家のオブザーバー参加や、全国への展開に向けて指導者養成委員会との連携等も進めていく予定です。並行して教育普及部会では、幼年児、少年等への年代別指導法の策定を検討していきます。 少柔協のWGでは、小学校の体育授業の体つくり単元を活用した転び方教室の試行も進めています。小学校では、子どものケガの増加が大きな問題となっており、実施を希望する学校が増えています。安全な転び方の習得に加え、柔道への肯定的な理解が進展するという普及振興にも寄与する部分があります。 また転倒によるケガ防止の観点から、高齢者への転び方指導も今後検討を進めていく必要性があります。加齢による筋力低下を補う軽易な筋力トレーニングを含めた転び方指導法を検討し、総合的な転倒予防への標準的な指導モデルを開発していく予定です。 各方面での転び方指導への取り組みについて、今後の展開にご期待ください。(少柔協中央委員会委員長 田中裕之)柔道を「続けよう」「始めよう」
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