7/27(火)—オリンピックへのコンディション、意気込みを教えてください。「悪くありません。やるべきことに集中できています。不安になったり余計なことを考えたりしますが、そこで迷わず、やるべきことは明確なので、それをやり切ることですね。目標はもちろん金メダルを獲ることです」—リオ・オリンピックでは悔しい結果でした。「悔しいを超えて、なんてことをしてしまったんだ、という気持ちでした」—空港で、メダリストとそうでない人で出口が違った。「もちろん覚えています。日本に帰って来てすぐに、ここから次の戦いは始まっているんだなという気持ちになれました。いま思うとあの気持ちになれたことは大事だったと思います」—リオから5年。支えてくれた言葉などはありますか?「たくさんの方が応援してくださいました。すごく自信を喪失していて、がんばれるかなとか、自分はダメだなと思うこともあったんですけど、自分よりも、自分を信じてくれた人がたくさんいた。そのおかげで5年間、一年一年を頑張れたと思います。なかでも母から『大丈夫だよ、なんとかなるから』と言ってもらったのは今でもすごく残っています」—5年間で成長したことは? 「一番は精神面。あとは体力が向上したかなと思います」—転機になった試合はありますか?「転機は…2017年のグランドスラム東京です。復帰して初めての大きな大会での優勝。あの優勝が自信になって、次のワールドマスターズで、オリンピック後初めてアグベニュー選手と試合して、彼女のコンディションが悪かったのもあったと思いますけど、初めて勝つことができたと思います」—金メダルを獲って、オリンピックのイメージを塗り替えたいですか?「はい。リオのことは忘れちゃうくらいの結果が出せればいいなと思っています」(取材/5月30日)―現在のコンディション、気持ちは?「稽古も積めていて、ここまで順調に来ていると思います」―オリンピックはどういう大会?「昔からテレビで見ていた憧れの大会でもありますし、前大会に出て、悔しい思いを経験しているので、今回は、それをリベンジする大会でもあります」―オリンピックに出てみたいと思ったのはいつ頃?「小さい頃、何気なくテレビで見ていて、あの舞台でボクも活躍したいなという思いを持って、徐々にそういう思いが強くなってきたのかなと思います」―夢から目標になったのは?「ジュニアからシニア、結果を残せるようになり、オリンピックへの思い、本気度が少しずつ強くなってきました」―リオ大会、3位という結果について。「満足していませんでしたし、悔しい大会だったという気持ちは、いまでも同じです。その悔しさがあって、この5年間成長することができているので、僕にとって重要な大会だったと思っています」―日本での開催が決まったとき(2013年)はどんな気持ちでしたか?「そのときはリオを狙っていたので、そこまで思っていなかったのですが、リオの後、次は東京ということで、出場して優勝したいという気持ちになりました」―東京大会までの5年間、代表決定に至るまでの壁や苦しみは?「2017年の世界選手権でケガをして、初めて手術を経験し、そこから苦しい時期が続いたんですけど、そのつらい時期、どん底を経験し、そこから這い上がってきたので、いまは自信になっていますし、力になっています」―リオから強くなった、成長した点は?「経験値はリオ前にはなかったものなので、強い武器になっていると思います」―東京オリンピックではどんな柔道を見せたいですか?「前回は不完全燃焼で終わったところもあるので、今大会は気持ちを前面に出し、泥臭くてもいいので勝ちにいく、気迫ある柔道で金メダルを目指し頑張りたいと思っています」(取材/7月1日)田代未来TASHIRO Miku永瀬貴規NAGASE Takanoriコマツ1994年4月7日生(27歳)東京都出身相原中学→淑徳高校2016年リオデジャネイロオリンピック出場旭化成株式会社1993年10月14日生(27歳)長崎県出身長崎大学教育学部付属中学→長崎日大高校→筑波大学2016年リオデジャネイロオリンピック銅メダル女子63kg級男子81kg級8まいんど vol.28
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