まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
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7/25(日)—オリンピックまで40日を切りました。コンディションは?「(グランドスラム・カザンから帰り)2週間の隔離期間が明けて練習を再開したところで、いまは順調です。いよいよ本当に近づいて来たなという気持ちで過ごしています」—他の大会と違う感覚はありますか?「オリンピックという舞台は初めてなので、いつもの試合のように準備したらいいのか、出てみないとわからないですが、いつもどおり、普段どおりの試合ができるように準備しています」—子どもの頃からオリンピックに出たいという思いはありましたか?「『夢』という感じですが、頭の片隅にはありました。東京オリンピックの開催が決まったとき(2013年)、決まる瞬間をリアルタイムで見ていて『あ、ここに出て優勝したいな』と思いました。中学1年のときです」—コロナ禍で思うようにいかない1年だったと思いますが、成長できた部分はありますか?「柔道の練習がないと技術の上達は難しいです。できることをしっかりやろうと思いながら、走ったりトレーニングをしていたり、精神面では成長できたと思います」—初めてのオリンピック。日本柔道の歴史のなかで、どんな存在になりたいですか?「将来的には本当に柔道の楽しさを広めたいなと考えています。やりたいことはたくさんあるけど、52kg級で優勝した人がまだいないので、優勝して、いまやっている小さい子や、やりたいと思っている子に一歩踏み出す勇気を与えられたらと思います」—東京オリンピックでどんな柔道を見せたいですか?「攻めて攻めて『一本』を取りにいく柔道です。これが阿部詩という柔道を見せて一番輝きたいなと思います。兄妹同日の優勝は初だと思うので、そこに向かってしっかり2人で、覚悟を持って試合に臨もうと思います」(取材/6月23日)―現在の心境は?「もう1か月を切ったということで、やるべきこと、コンディショニングをしっかりやって、いままでで一番良いコンディションを、オリンピックに持っていきたいと思っています」―丸山城志郎選手の追い上げがありました。あの時期を振り返ると?「オリンピックという舞台に立つのは簡単ではないなと感じました。でも『この苦しい時期を乗り越えれば、さらに自分自身が、絶対に成長できる』と思い、前向きに捉えてやっていくしかない、結果を残すしかないと思っていました」―2019年東京世界選手権での敗戦から変わったところは?「なにかがすごく変わったとか、意図的に変えたとかはありませんが、『絶対に負けない』という気持ちが強くなりました。普通ならそこで落ちてしまって、いろいろ考えたりとかあると思うのですが、僕自身は『絶対に諦めない、前を向いてやっていくだけだ』と思ってやっていました。東京オリンピックへの思いだったり、リオ・オリンピックで選ばれなかった借りを返すという気持ちだったり…、弱気になったことはなくて、自分自身の柔道は絶対に間違っていない、自分の柔道をすれば絶対に勝てると思っていました」―ここ数年間で、心・技・体で一番成長したのは?「心の部分です。技や体もですが、一番は心。気持ちも強くなりましたし、12月の代表決定戦を経験できたことで、気持ちの部分がさらに成長できたと思います」―足技の決定力や破壊力が増したことへの手応えはありますか?「大事なものだと意識してきましたし、担ぎ技を警戒されるなかで足技を意識させたら、幅が広がってもっと良い柔道ができると思いました。最近の試合でもそうですし、自分の技になりつつあるというか、足技に関してはだいぶ手応えをつかめてきています」―兄妹優勝、自信は?「僕もそうですし、詩も、自分のいま持っている力を100%発揮できれば勝てると思っています」(取材/6月26日)阿部詩ABE Uta阿部一二三ABE Hifumi日本体育大学2000年7月14日生(21歳)兵庫県出身夙川学院中学→夙川学院高校パーク24株式会社1997年8月9日生(23歳)兵庫県出身神戸生田中学→神港学園高校→日本体育大学女子52kg級男子66kg級6まいんど vol.28

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